2007年11月13日(火)「しんぶん赤旗」
新テロ法案 自公が採決強行
衆院特別委
給油継続は戦争支援
赤嶺議員反対討論 防衛省疑惑究明を
自民、公明の与党は十二日、衆院テロ特別委員会で、海上自衛隊をインド洋に再派兵する新テロ特措法案の採決を強行し、両党の賛成多数で可決しました。共産党は反対。民主党と社民党は採決に加わりませんでした。政府・与党は、十三日の本会議可決、衆院通過を狙っています。日本共産党の市田忠義書記局長は、同日の記者会見で採決に強く抗議し、論戦で廃案に追い込む決意を表明しました。
「廃案めざす」 市田書記局長会見
採決に先立ち、日本共産党の赤嶺政賢議員が反対討論に立ち、法案が違憲の報復戦争支援を継続し、テロ根絶への逆行であることは、短い審議の中でも明らかになったと強調しました。
赤嶺氏は第一に、新法案による補給対象が、「空爆を含むあらゆる米軍活動を支援することになる」ことを指摘。米軍が「海上阻止活動」だけでなく、対アフガニスタン、対イラク作戦を一体で進めており、政府も複数の任務につく艦船への補給を認めたことを挙げ、政府を批判しました。
第二に赤嶺氏は「テロに戦争で対応してきたことが、アフガン情勢の泥沼化をつくりだしてきた」ことを告発。アフガンの政治的対話の動きを福田康夫首相も「重要だ」と述べていることも挙げ、「ならば、法案は撤回し、米国に軍事作戦の中止を求めるのが当然だ」と求めました。
第三に赤嶺氏は、守屋武昌前防衛事務次官と軍需専門商社との癒着が、政治家や米軍再編をめぐる利権疑惑に広がる様相をみせていると述べ、その徹底究明こそ必要だと強調しました。
最後に、福田首相が民主党の小沢一郎代表との密室協議で、自衛隊の海外派兵をいつでもどこでも可能にする恒久法まで議論したことを批判。「日本共産党は、恒久法の危険な動きを許さず、法案の廃案のため全力を尽くす」と表明しました。
■新テロ特措法案の骨子
実施する活動
補給支援活動
(海上阻止活動に従事する他国艦船への給油・給水。政府は、同時にイラク作戦やアフガン空爆任務を持っていても支援可と答弁)
実施計画
基本方針、実施区域、自衛隊の規模、装備、期間などを定めた実施計画を閣議で決める
国会の関与
・旧テロ特措法にあった国会承認規定は削除
・実施計画の決定、変更があった場合、国会に報告する
期限
施行から1年で失効。ただし、1年以内の期間を定めて延長可能