2007年11月14日(水)「しんぶん赤旗」
米軍基地 拡張を中断
市民歓喜 「運動の勝利」
イタリア
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イタリア各紙の報道によると、同国北部ビチェンツァにある米軍基地の拡張工事を進めていた企業が九日、拡張に反対する運動の高まりをうけて、作業の中断に追い込まれました。二年余り前に拡張計画が明らかになって以来、反対運動を続けてきた市民らは、「運動の勝利」だとして歓喜の声を上げています。
作業を中断したのは、不発弾処理や基地建設を専門とする企業「ABC」と「ストラゴ・ディ・ポッツオリ」の二社。両社とも米軍と契約し、十月半ばに本格的な工事を始めたばかりでした。「ABC」の代表は「工事の条件がないため、作業員を引き揚げた。いつ再開できるか分からない」と語っています。
基地拡張に反対する市民でつくる団体「基地ノー」の代表、マルコ・パルマ氏は、地元紙にたいし、「運動の勝利だ」「私たちの運動は、基地拡張を食い止めることが可能だということを示している」と強調しました。
「基地ノー」は、この間、基地の危険性を広範な市民に知らせる宣伝に取り組むと同時に、二十四時間体制の基地監視行動や座り込み、デモ行進を続けてきました。ここ数日は、「ABC」本社のあるフィレンツェや北部のトリノ、トレント、南部のナポリなどでもビチェンツァ市民に連帯する抗議行動が起きていました。
会社側は、いずれは工事を再開する構えです。「基地ノー」は、十二月十四日から十六日を「ビチェンツァにおける国際行動日」として行動を呼びかけています。
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