2007年11月15日(木)「しんぶん赤旗」

政治資金規正法改正

与野党協議・各党の提案


 政治資金規正法改正について話し合う与野党協議が十一月一日から五回行われています。日本共産党は、政治資金の全面公開を主張し、支出だけでなく「入り」(収入)の問題も議論すべきだと指摘。企業・団体献金の禁止に踏み出すべきだ、という主張を改めて表明しました。


 各党が自らの骨子案や法案、考え方について報告した後、自民党側から、(1)政治資金公開の対象となる政治団体の範囲(2)収支報告書をチェックする第三者機関の構成(3)公開の範囲と方法―の三点に絞って論点を整理してはどうかとの提起があり、実務者の協議が行われています。これまでの協議で、各党の提案内容が明らかになってきています。

◇公開対象の範囲

 日本共産党、民主党、社民党の野党は、すべての政治団体を対象とすべきと主張したのに対し、自民・公明の与党は「国会議員・その候補者に関係する政治団体に絞るべきだ」と主張しました。

 協議の中で、野党からも「自らの案にはこだわらない、一致した点でやっていきたい」と表明がありました。日本共産党は、「与党案、民主党案とも、今より透明性を高めようとする姿勢は評価できる」として、「すべての政治団体を対象とするのは原則だが、各党のコンセンサスが得られ、国民の理解が得られるように改正すべきだ」と主張しました。

 協議では、国会議員、その候補者と関係を持つ政治団体に限定する方向でおおむね一致しましたが、関係を持つ政治団体をどこまでとするか、詳細は決まっていません。

◇第三者機関設置

 自民党・公明党案には、第三者機関(政治資金適正化委員会=仮称)の設置と外部監査が盛り込まれています。これは、適正化委員会に登録された弁護士や公認会計士などの監査人が、政治資金の支出について監査することを義務付けます。適正化委員会は、登録監査人の登録・研修、監査マニュアルの作成、収支報告書の記載に関する基本方針の策定、相談窓口とされています。

 日本共産党は、政治資金規正法にも示されているように、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われ」、「判断は国民に委ねる」ことが必要なのであって、第三者機関の設置は反対だと主張。第三者であろうとなかろうと、行政権力によって政治資金をチェックすることになれば、それはまさに「政治資金の規制」、すなわち政治活動・政党活動への行政権力の介入を許すことになり、政治活動の自由からみても問題です。

◇ネット公開

 現在、政治資金のうち五万円以上の支出(経常経費を除く)について収支報告書に明細を記載し、領収書を添付することになっています。収支報告書は「公開」されていますが、「閲覧」しか認められておらず、コピーもできません。総務省に提出された収支報告書はインターネットで公開されていますが、わざわざ印刷できないように処理されています。

 日本共産党は、このような「公開」では不十分だとして、政党・国会議員に関係する政治団体については総務省に一元管理し、「閲覧」だけでなく「複写」も認めるようにすべきだと主張。またインターネット上でも同様の公開にすべきだと提案しています。国民が政治資金に関する資料を簡単に入手しチェックできるようにすることが求められています。

 インターネット公開は、与野党からも歩み寄りがみられます。公開の基準金額については、各党の主張をベースに議論が行われています。

 (党国会議員団事務局 山本陽子)


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