2007年11月15日(木)「しんぶん赤旗」
米軍需産業と連日食事会
米国側主催 自民・民主の防衛族訪米団
「会費は払っていない」
軍需産業と政府・政治家の癒着が問題になっています。自民党、民主党の防衛族議員訪米団が今年四―五月にかけて米国を訪れた際の詳しい日程がわかりました。昼は米政府高官、米軍需産業幹部らと防衛政策をめぐるディスカッションに出席し、連日、米軍需産業との夕食会が米国側主催で開催されていました。議員の一人の事務所は「食事会の会費は払っていない」と回答しています。(軍事利権取材班)
日程表によると、訪米団は四月二十七日に東京をたち、五月七日に帰国。五月一日にはワシントンで開かれた「第九回日米安全保障戦略会議」に出席しています。議題は「双務的日米関係―現状と問題」「地域安全保障環境の変化と日米協力の展望」など。ミサイル防衛(MD)がテーマの非公開会合なども予定されています。
会場では米軍需産業から、各社の得意とする軍事技術、装備のプレゼンテーションが行われたと見られます。過去の会議でもロッキード・マーティン社やボーイング社などが実施しています。
訪米団は米軍基地を視察してからワシントン入りします。
食事会は会議前日の三十日から。世界有数のミサイル製造会社「レイセオン」関係者との昼食会がありました。夜はロッキード社との夕食会。日程表には「米側主催」とあります。会議当日(一日)の夜には同じく米側主催でボーイング社・アルボー副社長との夕食会が開かれています。
翌日(二日)はアーミテージ元国務副長官との朝食会、コーエン元国防長官との昼食会をこなします(主催の記述なし)。移動などで一日過ごした後、四日にはエドワード空軍基地を視察。その夜はノースロップ・グラマン社との夕食会が米側主催で開かれました。
訪米したのは額賀福志郎氏(現財務相)ら防衛庁長官経験者、自民党の西銘恒三郎衆院議員、民主党の前原誠司前代表ら。三菱重工や川崎重工、山田洋行などの軍需関連業者の名もみられます。
日米安全保障戦略会議は毎年、日米で各一回開催。国会議員や防衛省、米国防総省関係者が参加、両国の軍需産業が後援、協賛しています。
日本の防衛政策決定に強い影響力を持つ防衛族議員らが、利害関係者である日米両国の軍需産業や米高官と軍備や防衛政策の行方を話し合い、夜はもてなしを受ける―。この訪米の費用は、誰が負担したのか。
「主催した社団法人に参加費を払って参加した」。額賀氏は今月六日、参院財政金融委員会で日本共産党の大門実紀史議員にこう答弁しました。
日本側の主催団体は、逮捕された宮崎元伸・山田洋行元専務も理事を務めていた社団法人「日米平和・文化交流協会」(その後、米津佳彦・山田洋行社長が理事)、防衛族議員らでつくる「安全保障議員協議会」などです。
西銘氏の事務所は本紙取材に「社団法人に払った参加費は二十万円。食事会の会費は(参加費と別には)払っていない。経費の総額は承知していない」と説明しています。ほかの参加議員は十四日までに明確な回答をしていません。