2007年11月17日(土)「しんぶん赤旗」

主張

米軍再編

全国的連帯で押しとどめよう


 米軍再編をめぐる全国のたたかいが、正念場にさしかかっています。

 今月末から来月初めにかけ、沖縄では「日本平和大会」(二十二日から)と「キャンプ・シュワブ」を包囲する「人間の鎖」行動(二十五日)が、岩国では十二月一日に「国の仕打ちに怒りの一万人集会」が、神奈川では「戦争司令部ノー、爆音も原子力空母もゴメンだ首都圏大集会イン座間」が二日に計画されています。米軍再編に反対する、自治体ぐるみ、住民ぐるみのたたかいの総結集が求められます。

乱暴なやり方で強行狙う

 在日米軍の「再編」計画は、二〇〇五年十月の合意から二年、〇六年五月の最終合意からでも一年半が経過したにもかかわらず、沖縄での新基地建設、山口・岩国への空母艦載機移転、神奈川での新「戦争」司令部移転や原子力空母配備など、主要な計画でいずれも進んでいません。

 米軍再編が、日本をアメリカの先制攻撃戦争の出撃基地として強化する点でも、住民の安全、安心のくらしを破壊する点でも、言語道断の基地強化計画であり、地元自治体や住民が「これ以上の基地強化は受け入れられない」と、反対の声を上げているからです。

 沖縄では、県知事や名護市長が基地移設は受け入れましたが、二本のV字形滑走路をふくむ巨大な新基地建設計画には「反対」を表明しています。岩国では、さまざまな圧力と攻撃が加えられるなか、井原勝介市長は、昨年三月の「住民投票」の結果にもとづいて、反対を貫いています。神奈川での戦争司令部移転問題には、座間市長がひきつづき反対運動を繰り広げています。

 ところが政府は、地元自治体や住民に十分説明し、その声に耳を傾けるのではなく、日米合意を押し付けることだけに汲々(きゅうきゅう)とし、米軍再編交付金を使って、反対する自治体には交付金を支給しないなど“札束”を使った卑劣な攻勢をしかけています。この結果、岩国市ではこれまで約束し実施してきた市庁舎建設補助金三十五億円が突然カットされることになります。住民の声を押しつぶす無法で理不尽なやり方に、あらたな怒りと反発が高まっています。

 日米両政府は、教科書検定での「集団自決」の記述書き換えに抗議しその撤回を求め十一万人余の県民が参加した沖縄県民大会や、自衛隊の海外派兵に反対する国民世論によって追い込まれたテロ特措法期限切れなどの影響が「米軍再編」に及ぶことを警戒しています。守屋武昌前防衛省事務次官の「防衛利権」疑惑問題では、守屋氏が米軍再編を進めた中心人物であることから、自治体や住民からも強い怒りが突きつけられています。米軍再編は、たたかいの発展によって計画をくい止めることのできる局面が開かれています。

全国からの運動を結集し

 先日来日したゲーツ米国防長官が記者会見で、「(日米合意は)一本の糸を抜けば、全体がほどけてしまう」とのべたように、ひとつひとつのたたかいいかんで計画が打ち破れます。

 そのためにも、沖縄、岩国、座間でのそれぞれの集会を成功させることが重要です。神奈川での首都圏大集会には、東京、埼玉、千葉からも、岩国では、隣県の広島をはじめ、中国、四国や近畿各県からも代表が参加するとりくみがすすんでいます。

 「米軍再編」反対、基地強化ノーの声をいまこそ広げ、全国の運動と連帯し、新テロ特措法案の成立を阻止するたたかいとむすんで、政府を追い詰める好機です。



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