2007年11月18日(日)「しんぶん赤旗」

温暖化

回復不能な結果も

IPCC統合報告 「今後20年が重要」


 【パリ=山田芳進】スペインのバレンシアで開かれていた国連「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)総会は最終日の十七日、国連の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長出席のもと、地球温暖化に関する最新の科学的知見を示した統合報告書を発表しました。「温暖化が広範囲にわたる回復不能な結果をもたらす恐れがある」と警告しています。

 現地からの報道によると、報告書は、温室効果ガス排出量を二〇五〇年に半減させることで、気温上昇を二度程度に抑え、温暖化に伴う深刻な影響を回避することができると分析。今後二十―三十年の取り組みが重要だと指摘しています。

 潘事務総長は、南極やアマゾンの熱帯雨林を視察して「地球の貴重な宝が人間自身の手で脅威にさらされている」と指摘。この報告書が、すべての国家を巻き込む包括的な気候変動対策の合意に導く「真の突破点を提供した」と強調しました。

 報告書の執筆に参加した豪州の気象学者ビル・ヘア氏は「IPCCによる最も厳しい報告」と指摘。世界自然保護基金(WWF)のハンス・ベローム気候変動プログラム担当部長は「今やボールは政治的責任者の側にある」と強調しました。

 今回の報告書は、来月インドネシアのバリで開かれる気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)に提出されます。同会議では、二〇一二年に期限を迎える京都議定書以降の温暖化対策を、今後二年間で構築するためのロードマップが採択される予定です。



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