2007年11月18日(日)「しんぶん赤旗」

今週の国会

政軍財癒着解明が焦点

与党はテロ新法案急ぐ


 軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者から度重なる接待を受けていた守屋武昌前防衛事務次官が、宮崎容疑者との宴席に同席していた政治家の名前を具体的に明らかにしました。軍需利権をめぐる政軍財癒着の解明が、国会の大きな焦点になっています。

 十五日の証人喚問で守屋氏が明らかにしたのは、額賀福志郎元防衛庁長官(現財務相)と久間章生元防衛相の名前です。

 「山田洋行」と、宮崎容疑者が設立した「日本ミライズ」は、在日米軍再編に基づく在沖縄海兵隊のグアム移転計画に関する「企業説明会」に参加していたことも判明。同移転計画は総額で約一兆二千億円に達する巨大事業で、額賀氏は、防衛庁長官時代に同計画を米国と合意した当事者です。

 証人喚問では、日本共産党の井上哲士参院議員の尋問により、守屋、宮崎、久間の三氏の宴席に、日米の政治家、軍需産業の仲介役となっていた秋山直紀氏が出席していたことも明らかになっています。

 海外派兵型の装備調達や、在日米軍再編計画などに、日米の軍需産業や政治家、官僚がむらがっていたのではないか。この問題の徹底解明は、国会に課せられた最優先の課題です。日本共産党は、額賀、久間、秋山各氏の証人喚問を求めています。

 十九日には、額賀財務相も出席する参院決算委員会が開かれ、日本共産党は大門実紀史議員が追及します。

 重大な疑惑が未解明にもかかわらず、政府・与党は、海上自衛隊をインド洋に再派兵させる新テロ特措法案の成立を急ぐ構えをみせています。

 日本時間十七日未明の日米首脳会談後の記者会見でブッシュ大統領は、同会談で「(新テロ特措法案の)早期成立に全力をつくす」と述べた福田首相に「感謝」を表明し、圧力をかけています。

 ただ、衆院で可決した新法案の参院での審議入りの日程は、いまも野党側の反対で未定のままです。野党側は、イラク特措法廃止法案の審議を求めており、新テロ特措法案の審議入りは、イラク特措法廃止法案の採決後、早くても二十六日以降になる見込みです。会期末の来月十五日までに十分な審議時間が保証される見込みはありません。

 七月の参院選で示された民意を反映した参院では、必ずしも政府・与党の思惑通りに進む状況ではなく、政府・与党内には会期の再延長を検討する動きも報じられています。


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