2007年11月21日(水)「しんぶん赤旗」

宝の海返せ

諫早干拓事業完工式に抗議


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(写真)潮受け堤防北部排水門付近に4県から漁船約50隻200人が集結、諫早湾干拓事業完成式典に抗議して「宝の海を返せ」とこぶしをあげた=20日午前、長崎・諫早湾

 国営諫早干拓事業が完成し二十日、長崎県諫早市内で完工式が開かれました。これにたいし有明海沿岸の福岡、熊本、佐賀、長崎の四県の漁民は海上から、市民らは同干拓地周辺などで「宝の海、有明海を返せ」「潮受け堤防を撤去せよ」と抗議の声をあげました。

 国の干拓工事は総事業費約二千五百億円をかけ約七百ヘクタールの干拓農地を造成。干拓農地は長崎県農業振興公社が国から約五十一億円で取得、五十軒程度の営農者に五年契約でリース。来春から営農が始まる予定です。

 豊穣(ほうじょう)の海・有明海の諫早湾を潮受け堤防で閉め切って十年。潮流がかわり、赤潮の発生などで、特産の二枚貝・タイラギやアサリなど魚介類が激減・壊滅、ノリ養殖の不振など、未曽有の漁業被害が年々深刻になっています。漁業者の自殺も相次ぎました。

 この日市民らは中央干拓地で「水門の開放を」との横断幕や大漁旗を掲げ、有明海四県県民有志による「怒りの抗議声明」を読み上げました。

 「完工式」に農水省の関係者、地方議員、国会議員ら約二百五十人が参列。農林水産大臣(代理=谷川弥一・同大臣政務官)は、「地域の振興と地域経済の発展につながっていく」などと語りました。



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