2007年11月22日(木)「しんぶん赤旗」
「朝鮮王室儀軌」返還を
韓国国会外交委員長が要請
外務省に
笠井議員が同席
韓国国会の金元雄(キム・ウォヌン)統一外交通商委員長が二十一日に来日し外務省を訪問、李朝時代の文化財である「朝鮮王室儀軌」の返還を木村仁副大臣に要請しました。木村副大臣は、これを受け止めて努力すると答えました。要請には韓国・江原道の月精寺の正念(チョンニョム)住職などが同行。日本共産党の笠井亮衆院議員が同席しました。
金委員長と正念住職は、韓国の民間団体「朝鮮王室儀軌還収委員会」の共同代表を務めています。
木村副大臣は、「両国間の今後の友好協力という観点で問題にあたりたい。この問題についての韓国国民の感情を十分に理解しており、さまざまな論議が必要だ」と述べ、一九六五年の日韓国交正常化の際に締結された文化財引渡協定を踏まえて、この問題に臨む考えを示しました。
金委員長は「六五年の韓日協定を乗り越えて返還を実現させたい」と述べました。木村副大臣は、個別の協定を結んで文化財を返還した前例に言及し、「この問題で自分として努力したい」と答えました。これに先立ち、金委員長一行は国会で平沢勝栄衆院外務委員長と懇談。儀軌の返還に向けた国会の協力を要請しました。
儀軌をはじめ日本が朝鮮半島から持ち出した文化財の返還については、四月に日本共産党の石井郁子衆院議員が、五月に緒方靖夫参院議員(当時)がそれぞれ国会審議で要求。これをきっかけに「還収委員会」が八月に緒方氏と笠井氏を韓国に招待するなど、交流と協力が続いています。