2007年11月22日(木)「しんぶん赤旗」
諫早干拓
多くの生物 姿消した
3団体 水門開放求め共同声明
WWFジャパン、日本野鳥の会、日本自然保護協会の三団体は、長崎県諫早湾「土地改良事業完工記念式典」が行われた二十日、共同声明を発表し、有明海の漁業に重大な悪影響を与えている「潮受け堤防の水門を開放し、海水を導入することが不可欠である」と、有明海の再生をアピールしました。
共同声明は「日本最大の諫早干潟と底生動物、渡り鳥など多くの野生生物が姿を消し、有明海の潮流・潮汐が弱まり、赤潮や貧酸素水塊の発生規模が大きくなり頻度も高まった」と指摘。「富栄養化した調整池からの排水は、諫早湾、有明海を汚し続け、自然環境と漁場に悪影響をおよぼし続ける」と警鐘を鳴らしました。
声明は「環境悪化と干拓事業の因果関係は、多くの研究論文等で指摘されているにもかかわらず、有明海・八代海総合評価委員会ではそれを踏まえた検討がない」と批判。今月末に閣議決定される「第三次生物多様性国家戦略」で、干潟の保全・再生をいいながら干拓事業を見直さないことは「国策上も大きな矛盾である」と指摘しています。
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