2007年11月24日(土)「しんぶん赤旗」
日本平和大会での
市田書記局長のあいさつ(要旨)
二十三日に開会した日本平和大会での日本共産党の市田忠義書記局長のあいさつ(要旨)を紹介します。
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日本平和大会に参加のみなさん。インド洋で米艦船に給油支援していた自衛艦が昨日佐世保、今日晴海ふ頭に帰還しました。巨大な日米軍事同盟の圧力をはねかえし、国民の世論によって、海外派兵している軍隊・自衛隊を撤退に追い込んだ歴史的な出来事です。
平和大会を新たな出発点にして、新テロ特措法案を必ず廃案にし、イラクからも自衛隊を撤退させ、憲法を守るたたかいを大きく発展させる決意をまず表明するものです。
沖縄戦検定、給油自衛艦帰国
――世論が政治動かしている
参院選で自民・公明政治が国民の厳しい審判を受けた新たな情勢と条件のもとで、今ほど国民の声が政治を動かしているときはありません。
私は、この沖縄で九月に開かれた、「集団自決」への日本軍の強制命令を削除しようとする教科書検定意見の撤回を求める県民大会に参加しましたが、その感動をいまも忘れません。県民ぐるみのたたかいは、検定意見の撤回と記述を復活させるたたかいを大きく前進させました。
十一月一日にはテロ特措法が失効し、六年間米国の戦争を支援してきた自衛艦は、撤収命令を受けて帰国しました。この命令を出したのは福田首相でも石破防衛相でもなく、私たち国民だったのです。
すでに衆院での論戦で、戦争でテロは解決できないことが立証されました。自衛艦が給油した油がアフガニスタン市民を殺傷する作戦やイラク作戦に使われていることもハッキリしました。
今、アフガンでは、カルザイ大統領をはじめタリバンも含む各勢力の「和解と平和プロセス」が進んでいます。米国への戦争支援はこの動きに逆行するものです。
昨日の党首会談で、わが党の志位和夫委員長は福田首相に「日本がすべきことは対テロ戦争支援の再開ではなく和平促進の外交努力だ」と述べました。首相は「和平の努力は重要だが、タリバン掃討と同時並行でやるべきだ」と応えました。こん棒で殴りながら話し合うという、全く成り立たない話です。また自民・民主両党首の密室協議での「大連立構想」や「海外派兵恒久法」合意で見せた、民主党が抱える深刻な問題もあります。
しかし、国会での正論に基づく論戦と国民世論で包囲するなら、やすやすとこの暴挙は強行できません。まさに世論がカギを握っているのです。
全国の連帯と団結で
米軍基地強化を打ち破ろう
米軍再編に反対するたたかいも正念場を迎えています。
機能強化された陸軍新司令部のキャンプ座間への移転、横須賀基地への原子力空母の配備、岩国基地への空母艦載機移転、名護・辺野古の新基地建設――これらが日本を米国の先制攻撃戦略の司令・出撃拠点にしようとしていることは、だれの目にも明らかです。
だから、この米軍再編が自治体と住民の頑強な反対に直面しているのです。政府は、基地強化を受け入れない自治体に交付金を出さないなど、札束でほおをたたくやり方で圧力をかけていますが、私はこうしたアメとムチの卑劣なやり方に屈しない全国の自治体や住民のみなさんのたたかいに心から敬意を表します。
ゲーツ米国防長官は、米軍再編計画について、「一本の糸を抜けば全体がほどけてしまう」と危機感を募らせていますが、一本どころか、名護でも、岩国でも、座間でも糸を抜き、全国的な連帯と団結で米軍基地の再編・強化を打ち破ろうではありませんか。
日米安保廃棄めざす
多数派づくりへ前進しよう
海外派兵や基地強化の根源にある日米軍事同盟が大きなゆきづまりと矛盾に直面しています。
テロ特措法は延長できず、新テロ特措法案も成立のメドがたっていない。米軍再編も進まない。世界に目をやると、イラク戦争、アフガンへの報復戦争で米国は完全にゆきづまっています。国連憲章に基づく平和秩序を求める国々が多数となりました。こうしたなか、日米軍事同盟が国民との矛盾を深めつつあります。国連加盟国百九十二カ国のうち、いまや百三十四カ国が非同盟の国です。
今こそ、憲法九条が生きる平和な日本をめざして、国民的な議論を起こそうではありませんか。アメリカいいなり、戦争準備と改憲策動の根源である日米安保条約の廃棄をめざす多数派の形成へ前進しようではありませんか。日本共産党は皆さんとともに、たたかいの先頭に立つことを誓います。
みなさん、ご一緒にがんばりましょう。