2007年11月25日(日)「しんぶん赤旗」
世界中の被害なくそう
国際アスベスト会議 宣言し終わる
二日間の日程で横浜市で開かれていた、すべてのアスベスト被害者・家族に公正・平等な補償を求める国際アスベスト会議は二十四日、「すべてのアスベスト被害者に公正・平等な補償を求める二〇〇七年横浜宣言」を採択し、閉会しました。
港湾、建設分野の労働組合や被害者の家族らが、この間のとりくみについて報告。中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会の古川和子副会長は、「二百人以上の被害者とその家族を訪問、その後なくなった方も多い」と語り、「残された家族もいます。決してアスベスト問題は終わっていません。国は一日も早く完治する治療法を実現してほしい。世界中からアスベストの被害をなくすまで頑張る」と訴えました。
石綿対策全国連絡会議の総会もかねて報告した事務局長の古谷杉郎氏は、新法の成立などアスベストの社会的認知が広がってきた背景に労働者、被害者家族らの運動があると強調。その上で、「新法で何らかの補償がされている被害者は37%しかいない」と指摘し、課題が多い新法の見直しを提起しました。
韓国の医師と市民団体は、「日本で青石綿が中止され、大阪の工場が釜山市の住宅街に移ってきた」と日本から被害が“輸入”された経緯を語りました。「いまはインドネシアにその工場が移り、従業員はマスク一つで作業するなど、危険性は知らされていません。実は世界で石綿を使用し続けている国の上位八位までがアジアで占められている」と終わらぬアスベスト被害を告発しました。
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