2007年11月26日(月)「しんぶん赤旗」
暮らしも財政も壊す
NHKで小池氏 政府税調答申を批判
日本共産党の小池晃政策委員長は二十五日、NHK「日曜討論」で、政府税調の「答申」について、「庶民には消費税と所得税の二重の増税を迫り、大企業にはさらなる減税をもたらす中身だ」と指摘。「こんなやり方をすれば、暮らしも財政も壊れてしまう」と津島雄二自民党税制調査会長らの見解をただしました。
小池氏は、社会保障財源といえば「なぜ、すぐ消費税となるのかが問題だ」と強調。「過去最高の収益を上げる大企業に応分の負担、責任を果たしてもらうべきだ。低所得者ほど負担の重い消費税でまかなうことは、負担の求め方として筋違いだ」と政府・与党の姿勢を批判しました。
津島氏は「福祉(削減)の方ではもう限界が来ている」と述べ、「消費税は、社会保障税にはっきりすべきだ」と消費税増税の方向を示しました。一方、増税の時期については「あくまでも国民の判断だ」と述べ、明言を避けました。
政府税調「答申」に示された所得税増税について小池氏は、「二年前の総選挙で、自民党がやらないと公約したサラリーマン増税そのものだ」と告発しました。
これにたいし津島氏は「個人所得課税のこういう見直しはやるつもりはない」と明言。〇八年度税制「改正」での所得税増税を見送る考えを示しました。
また小池氏は、地方間の税収格差の是正について、「大企業減税をただし、生まれた財源を地方交付税で配分していくことが必要だ」と求めました。
津島氏は「財政調整機能を強化するには、交付税交付金を増やさなければならない。今度は増やす方向で検討している」と明言しました。
額賀財務相の喚問を
小池氏
日本共産党の小池晃政策委員長は二十五日、フジテレビ系番組「報道2001」に出席し、軍事利権をめぐる疑惑が指摘されている額賀福志郎財務相の国会での証人喚問が必要だと主張しました。
宮崎元伸容疑者(軍需専門商社「山田洋行」元専務)との宴席での同席の事実を認めない額賀氏について小池氏は、守屋武昌前防衛事務次官が参院外交防衛委員会での証人喚問で「一昨年くらい」の時期に「神田の料亭」での宴席について明確に証言したと指摘。宮崎容疑者の後に額賀氏が到着し、同氏が最初に帰ったことなど、当時のことを克明に答えているほか、額賀氏が昨年の人形町での会合については「断じてない」と説明する一方で、神田での件については「記憶がない」「記録がない」とあいまいにしている以上、「証人喚問で明らかにすべきだ」とのべました。
さらに小池氏は、「しんぶん赤旗」の取材に応じた太田述正元仙台防衛施設局長の「業務日記」には克明な記録があると紹介。当時の額賀官房副長官から、山形の業者にたいする動きが悪いと電話でクレームが入ったことも日記に記録されているなど、額賀氏の別の「口利き」疑惑も指摘しました。
与党議員からは、「一人の人間の人権にかかわることだ」(山本一太自民党広報本部長代理)などと、喚問に否定的な発言が相次ぎました。
小池氏は、額賀氏の疑惑について、五兆円という膨大な軍事費全体をめぐる重大問題だと指摘。「そういう巨額なお金が動くところに、直接関与した政治家がいるとすれば、これは重大な問題だ」とのべました。
民主党の浅尾慶一郎参院議員は、一部の商社が海外メーカーの見積書を偽造していた問題を指摘。山本氏も、癒着体質を直すために、やり方を変えるべきだと認めました。
小池氏は、「山本氏も癒着を認めているのだから、今の疑惑の真相解明が必要だ」と発言。商社だけではなく、「日米平和・文化交流協会」など国の補助金を受けている公益法人までも軍需利権に絡んでおり、しかもそこに国会議員が日米軍需産業の関係者とともに役員として多数参加していることを示し、「まさに軍事費に巣くう巨大な利権構造にメスを入れる必要がある」とのべました。