2007年11月27日(火)「しんぶん赤旗」
医療・障害者負担増・消費税
国民の怒り きけ
参院本会議
山下議員、首相に迫る
日本共産党の山下芳生議員は二十六日の参院本会議で、政府の二〇〇六年度決算報告に対する質問に立ち、先の参院選で示された無数の“民の怒り”を肝に銘じるべきだと強調し、福田康夫首相に、弱者を容赦なく切り捨てる「構造改革」路線からの転換を迫りました。
|
山下氏は、七十五歳以上のお年寄りの医療を制限し、年金から高い保険料を天引きする後期高齢者医療制度について、「制度そのものを中止すべきだ」と強く要求。福田首相は「激変緩和措置を実施したい」と述べ、制度はあくまで実施する姿勢をとりました。
障害者自立支援法について、父親と障害を持つ二人の娘が無理心中した悲惨な事件を取り上げ、「障害が重い人ほど負担が重くなる『応益負担』撤回の要求に正面からこたえるべきだ」と強調しました。
福田首相は「抜本的な見直し」に向けた「検討」を述べるだけでした。
さらに山下氏は、産科などの医師不足問題を取り上げ、「世界第二の経済大国で安心して赤ちゃんを産むことすらできない。こんなことは絶対にあってはならない」と指摘。医師数抑制の閣議決定を撤回し、抜本増員に転換することこそ政治の責任だと主張しました。
消費税問題では、社会保障財源に「弱い者いじめ」の消費税をあてるのは「本末転倒だ」と力説し、総選挙で国民の判断をあおぐべきだとただしましたが、首相は「消費税をどのように考えるかについて、幅広く検討してまいりたい」などとまともに答えませんでした。
最後に山下氏は、軍事利権問題について、国民には増税や負担増を押しつける一方、軍事費には年間五兆円もつぎ込み、それが日米の軍需企業や政・官の食い物にされている疑惑だと述べ、首相自身が真相解明の先頭に立ち国民への説明責任を果たすよう迫りました。
首相は「政府としては防衛省が抱える問題について基本に立ち返って検討を行う」などと一般論を繰り返しました。
■関連キーワード