2007年11月28日(水)「しんぶん赤旗」

イラク特措法

廃止法案を可決

参院委

「自衛隊撤退は当然」

共産・民主・社民の賛成多数


 自衛隊のイラク派兵の根拠法であるイラク特措法を廃止し、自衛隊を撤退させる同法廃止法案(民主党提出)が二十七日の参院外交防衛委員会で日本共産党、民主党、社民党の賛成多数で可決されました。自民党と公明党は反対しました。二〇〇三年から始まったイラク派兵のなかで、同法の廃止法案が委員会可決されたのは初めて。二十八日の参院本会議で可決され、衆院に送付される見通しです。


井上議員賛成討論

写真

(写真)共産、民主、社民の賛成多数で可決するイラク特措法廃止法案。手前左から2人目は賛成する井上哲士議員=27日、参院外交防衛委

 七月の参院選で与党が大敗し、派兵反対の野党が参院で多数を占めました。こうしたなか、海上自衛隊のインド洋派兵の根拠法となっていたテロ特措法も、十一月一日の期限切れまでに政府・与党が延長するための法案を国会成立させることができず、失効。二十三日には海自補給艦が帰国しています。

 こうした新たな動きは、参院選で示された民意を反映したもので、撤兵を求める国際世論の流れに合流するものです。

 委員会採決に先立ち、日本共産党の井上哲士議員が賛成討論に立ち、イラクへの自衛隊派兵は、国際法違反のイラク戦争と、それに続く米軍の占領支配に加担するもので、「憲法違反は明白だ」と強調しました。

 そのうえで、▽イラク戦争の「大義」が崩れ去っているにもかかわらず、日本政府は戦争を支持し続けている▽航空自衛隊が空輸している米軍は、多数の市民を犠牲にする掃討作戦を繰り広げている▽豪州など、多国籍軍参加国の中でも撤退の動きが相次ぎ、戦争とイラク駐留に反対する世論が国際的に広がっているのに、政府はイラク政策を見直そうとしない―と告発し、「一刻も早く自衛隊の撤退を実現するのは当然だ」と主張しました。



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