2007年11月28日(水)「しんぶん赤旗」
イラク派兵検証なし
参院外交防衛委 井上議員が批判
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日本共産党の井上哲士議員は二十七日の参院外交防衛委員会で、イラク戦争を支持したことの検証も自衛隊を撤退させる戦略もなく、米国に追従するだけの日本政府の姿勢を批判しました。
今年五月、自衛隊のイラク派兵を二年間延長するイラク特措法改悪案が衆院テロ・イラク特別委員会で可決されましたが、その際の付帯決議は「イラク戦争を支持した当時の政府判断についての検証」を求めています。
井上氏が、どんな検証をしたのかをただしたのに対し、高村正彦外相は、検証の中身を示せず、「(イラク戦争は)正当化される」と改めて開き直りました。
米国内では、来年中の撤退を求める法案が米下院で可決され、イラク駐留米軍のサンチェス元司令官も「終わりが見えない悪夢」が続いていると発言。イラク占領への参加国は、三十三から二十六カ国に減少し、二十四日には豪州で段階的撤退を掲げた労働党が勝利しています。
この井上氏の指摘に対し、高村外相は「アメリカの中でいろいろ反省もある」と述べ、ブッシュ米政権のイラク政策の行き詰まりを認めざるをえませんでした。
また井上氏は、米国、イラク間で、在日米軍と同様に二国間協定に基づく長期駐留にすすむ動きがあることを指摘し、「そうなっても(自衛隊派兵を)続けるのか」とただしました。
石破茂防衛相は「(今後の米軍駐留が)どういう形になるか分からない状況の中で、お答えしかねる」と答弁。井上氏は「(撤退に向けた)『出口戦略』がないということだ」と厳しく指摘しました。