2007年11月29日(木)「しんぶん赤旗」
防衛装備品
随意契約が9割
吉井議員指摘 5826億円は長官指示
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防衛省の武器、航空機など装備品契約のうち、件数で約七割、金額にして約九割が随意契約であることが二十八日、わかりました。衆院内閣委員会で、日本共産党の吉井英勝議員が防衛省提出資料をもとに明らかにしました。随意契約は、発注側が競争入札なしで特定業者と契約するもので、汚職や口利き、官製談合の温床ともなるという指摘があります。
吉井議員によると、二〇〇一年度から〇六年度までの防衛省(防衛庁)の中央調達による装備品の契約は約五万四千件、金額は約七兆七千六百万円。このうち、随意契約は一万六千九百三十七件(契約全体の31・4%)、六兆三千三百八十五億七千万円(同81・6%)ですが、一般競争や指名競争をおこなったのち随意契約となったものを含めると、三万六千六百八十件(同67・9%)、七兆六百十億円(同90・9%)となります。
吉井議員は、一般競争入札後、随意契約となったものが、〇六年度だけで三菱重工業が十一件、約七十五億円、川崎重工業が六件、約五十二億円、三菱電機が八十八件あり、約五百三十八億円にのぼることを指摘。「偽装一般競争入札だ。入札談合がおこなわれたとみられても仕方がない」とのべました。
防衛省が随意契約とした理由の一つに「長官からの指示」というものが、〇一年度以降の契約で二百四十七件、五千八百二十六億円もありました。
吉井議員は、「大臣には契約にかかわる大きな職務権限がある。その大臣が業者から接待を受けたり、パーティー券を購入してもらえば、汚職の疑惑が生じる」と指摘。三菱重工など受注額が多いほど天下りを多く受け入れていることも示し、「国の調達そのものが、疑惑を生み出す構造になっている」として、疑惑の徹底解明を求めました。
泉信也国家公安委員長は「法と証拠にもとづいて捜査する」と答弁。町村信孝官房長官は、「(構造について)必ずしもそうだとは思わない」としましたが、調達のあり方を考え直す意向を示しました。