2007年11月30日(金)「しんぶん赤旗」
山田洋行 落札率99.9%
防衛省と異常契約
井上議員 「商社の言い値だ」
参院委
疑惑の軍需専門商社「山田洋行」と防衛省・自衛隊の契約の落札率(予定価格に占める契約額の割合)が、実に99・9%―。二十九日の参院外交防衛委員会で、防衛省は日本共産党の井上哲士議員の追及に対し、こんな異常な実態を明らかにしました。約五兆円に達する軍事費の浪費ぶりの一端を示すものです。
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井上氏は、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者が防衛局長に就任して以降の二〇〇二年一月から〇七年十月までの「山田洋行」との契約実績(随意・競争入札)をただしました。
防衛省の江渡聡徳副大臣は、井上氏の求めに応じて百四十二件の契約の予定価格を明らかにしたうえで、「平均落札率は99・9%。かなり高い数字だ」と答弁。また、同社が示す見積額以外に、予定価格を算定する際に参考となる資料が乏しいと述べ、事実上、商社側の“言い値”であることを認めました。
石破茂防衛相も、今の契約のやり方では「悪意を持った会社が介在すれば(価格が)いいなりになってしまう」と述べました。
こうした“言い値”による契約の実態として井上氏は、入札から落札までの経緯が書かれた「落札等判定書」も示しました。
同文書によると、随意契約の際、最初に「山田洋行」側が予定価格より高い額を示しますが、商議を重ねるなかで予定価格にまで同社が価格を下げたところで落札しています。まさに実態は、事実上の“価格のすり合わせ”です。
また井上氏は、陸上自衛隊のイラク派兵の際に同社と交わした契約四十六件(予定価格公表分)のうち、落札率100%が四十三件、このうち同社側から見積書さえ示されなかったのが三十件に達することも指摘。「結局、商社側の言い値ということだ。国民生活向けの予算は、ことこまかく切り詰めながら、軍事費は『聖域』にする―。このあり方にメスを入れるべきだ」と求めました。
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