2007年11月30日(金)「しんぶん赤旗」
カナダで「慰安婦」決議
下院 日本政府は真摯な謝罪を
【ワシントン=鎌塚由美】カナダ下院は二十八日、アジア太平洋戦争時に旧日本軍が侵略先の女性たちを性奴隷にした日本軍「慰安婦」問題で、日本政府に真摯(しんし)な謝罪を求める動議を全会一致で可決しました。「慰安婦」問題での決議は米下院(七月)、オランダ下院(今月八日)に続くものです。
動議は、カナダ下院の総意として、旧日本軍の関与について日本政府が「全面的に責任を負う」よう「カナダ政府は日本政府に働きかけよ」と求めるもの。そのなかで、日本政府が一九九三年に「慰安婦」の強制と関与を認めた「河野官房長官談話」に言及し、日本政府に対し同談話を「おとしめる、いかなる発言も放棄する」よう求めています。
また、「慰安婦」という「人身売買と性的奴隷化」は、「決して起こらなかった、といういかなる主張に対しても明確に公に反論する」よう日本政府に要求、謝罪の方法の一つとして、「国会が、すべての被害者に対し公式で誠実な謝罪を表明すること」を提案しました。
オタワからの報道によると、動議可決を前に、韓国、フィリピン、中国、オランダから四人の元「慰安婦」の女性たちがカナダを訪問。二十七日には、議会の「特別公聴会」で証言しました。
動議を推進してきたオリビア・チョウ議員(新民主党)は、カナダメディアに対し、「これは人道に対する罪であり、すべての世界の市民は、声をあげる道義的責任がある」と語っていました。