2007年11月30日(金)「しんぶん赤旗」
国選弁護
赤字にならぬ報酬を
仁比議員要求 法相、再検討の意向
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日本共産党の仁比聡平参院議員は二十九日の参院法務委員会で、低すぎる国選弁護報酬の問題をとりあげ、「弁護士の献身性や正義感だけに依拠した低報酬では国民の弁護権の保障が十分できない。せめて赤字にならない国選弁護報酬基準にすべきだ」とのべ、実態調査と改善をもとめました。鳩山邦夫法相は「赤字になるのはどうか。これでいいのかもう少し考えてみていかなければならない」と答弁し、再検討の意向を表明しました。
仁比議員は、自白が強要されたものだったことが明らかになった鹿児島県議選買収事件で、鹿児島市内から車で往復四時間二十分かかる志布志署に弁護士三人が交代で通い、接見した献身的活動を紹介。「国選しか頼めない自分は十分な弁護が受けられない」という声もあることにふれ、「赤字にならない弁護報酬が必要だ」と、国選弁護報酬算定根拠や弁護権を保障できる国の国選弁護関連予算増を迫りました。
憲法上の要請から導入された国選弁護人の報酬基準の算定根拠について、最高裁刑事局長は「資料がなく答えられない」と答弁せざるをえませんでした。
鳩山法相も「(報酬基準は)古い話で、まったくわかりません」と答弁。「国選弁護の費用が安いので、弁護が熱心にできないことがあってはならない。おっしゃるように、赤字になる、費用が安くて(国選弁護人が)元気がでないのは困る」と答えました。