2007年12月2日(日)「しんぶん赤旗」

岩国だけの問題ではない

1万人集会 井原市長の発言


 山口県岩国市で開かれた一日の「国の仕打ちに怒りの一万人集会」での井原勝介市長の発言(大要)を紹介します。

 岩国市は基地を撤去しようとまでは言っておりません。国にも国政にも協力しないといけないという考えで、基地に協力してきています。

 しかし、地域住民の生活、安心を守ることは基本的な問題です。今回の空母艦載機部隊移転だけは我慢できない。これが市民の痛切な思いだったと思います。それを端的に示したのが、あの住民投票です。岩国は圧倒的な意思を示しました。

 本来、民意は政治の場では重いものです。でもなかなか市民の声が届かないのが現実です。その後も一方的に再編が進められようとしています。

 あまつさえ、言うことを聞かないからといって建設中の市庁舎補助金を三年目にしてカットする。本当に信じられない強硬な措置がとられました。こんな非常識な措置、今までないのではないですか。

 国民の負託を受けて政治、国があるのです。「アメとムチ」で市民の意思を押さえつけようとする手法は、国が行う措置ではない。こんなやり方では不信感が高まるばかりです。米軍再編は国の安全保障と地域住民の安全・安心、これをいかに調整するか、バランスをとるかの問題です。お金、圧力で左右すべき問題ではない。「国の決めたことだから、くるものはくるから、それならカネをもらったほうがいい」という人たちがいますが、そんな市民をあきらめさせる政治は絶対にしてはいけません。

 私たちは豊かで、安心して、本当に平和に暮らせる、平穏な生活を望んでいます。そのためには一人ひとりが自由に生き方を決め、町の未来を選択できる真の民主主義の仕組みが必要です。

 岩国市民は住民投票を契機に、既存の政治に任せられない、自らの町の未来は自ら選択するという強い意思を示しました。

 市民の中から、庁舎の問題で岩国の心意気を示そう、カネが出ないなら自ら三十五億円集めようという自主的な動きが出ています。

 これは岩国だけの問題ではありません。全国どこでも起こりうる問題です。そうした観点で一緒に岩国とともに行動してほしいのです。

 こんなに大勢のみなさんが集まっていただいて、百万人の味方を得た思いで感激しています。十二月一日、きょうが、日本の自立した新しい民主主義の輝かしい第一歩になるんではと感じております。私は、この身を挺(てい)して頑張るつもりであります。

 あくまで市民を守るために、自らの手で新しい民主主義を勝ち取ろうではありませんか。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp