2007年12月2日(日)「しんぶん赤旗」

水車を使って発電

シンポで提言採択

大分・日田


 小河川や既存水路の水利用と農業を考える「小水力利用シンポジウム」(全国小水力利用推進協議会など主催)が一日、大分県の水郷・日田市で開かれました。農業関係者ら約百人が参加。大分、栃木県などの小水力発電事業のとりくみなどを交流し、「農業用水を活(い)かして農村をエネルギー基地に」とよびかける提言を採択しました。

 同シンポは、三日から同県別府市で「水の安全保障」をテーマに開かれる第一回アジア・太平洋水サミットのオープンイベントとして行われたもの。

 シンポジウムでは、日本全国の農業水路は総延長(幹線約四・五万キロ、支線約四十万キロ)が地球の十周分もあり、貴重な水資源というだけでなくクリーンなエネルギーの宝庫になっているとアピール。農業団体代表らが、農業用水の積極的活用を訴えました。日本水土総合研究所の森田昌史理事長は「落差がなくても、水が流れていればエネルギーが取り出せる技術開発も試みられている。流速一メートルぐらいあれば実現可能だ」と指摘し、映像やスライドを使って新しい水車の研究開発などを紹介しました。

 提言では、電力供給の制約などをなくし小水力利用が経済的に成り立つような社会システムを求め、政府などに自然エネルギーとして潜在的可能性が大きい小水力発電利用促進を要請。中島大・全国小水力利用推進協議会事務局長は「水に恵まれた地域を生かし、小水力の自然エネルギー利用をすすめてほしい」と訴えました。



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