2007年12月4日(火)「しんぶん赤旗」
気候変動
水不足・災害の脅威
アジア・太平洋水サミット開幕 各国首脳が口々に
「水の安全保障」をテーマに、アジア・太平洋地域の首脳が集まり水の問題について話し合う、第一回アジア・太平洋水サミットが三日、大分県別府市で始まりました。これには、四十九カ国・地域から約三百人が参加しました。初日は、気候変動による水不足や災害が現実の脅威になっている南太平洋島しょ国の首脳らが訴えました。
キリバス共和国のアノテ・トン大統領は「小さな島しょ国にとって水不足が深刻な問題となっている。気候変動による海面上昇で、地下水の淡水資源の水質を保っていくのがむずかしくなっている」と報告。パラオ共和国のトミー・エサン・エメンゲナウ大統領は、淡水資源を保護するための森林保全プログラムなどのとりくみを紹介しながら、アジア・太平洋地域で約六億五千万人が安全で衛生的な水をえることができず、気候変動による海面上昇で農地や井戸が海水で汚染されている」と発言しました。
ナウル共和国のルドウィク・スコティ大統領は「水道施設はあるが、国内に水の貯蔵設備が無く、貯水システムが重要になっている。ことしきびしいかんばつに襲われ、気候変動に適応していかなければならないが、能力が限られている」と懸念を表明しました。
ニウエのミティタイアギメネ・ヤング・ビビアン首相は「気候変動による海面上昇で塩水が地下水に浸入している。サンゴ礁の島が水没する脅威を実感している。京都議定書を批准していない国は早く批准してほしい。唯一の手段が京都議定書だから」とよびかけました。
また、キルギス、タジキスタンなど中央アジアからは、気候変動による氷河の後退、氷河湖の決壊、かんばつによるアラル海の消失などの危機や河川隣接国間の水資源管理問題が報告されました。
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