2007年12月5日(水)「しんぶん赤旗」
防衛省 疑惑まみれ
新テロ法案 提出資格ない
軍政財癒着の「交流協会」
福田首相、理事だった
参院委で井上議員追及
海上自衛隊をインド洋に再派兵する新テロ特措法案の審議が四日、参院外交防衛委員会で始まりました。日本共産党の井上哲士議員は、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者の逮捕で浮き彫りになった一連の疑惑をただし、「防衛省に憲法にかかわる法案を提出する資格があるのか」と批判しました。
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この中で井上氏は、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者が、政治家とのつながりを深めるために「日米平和・文化交流協会」を足がかりにしていたと指摘。日米の軍需企業と防衛族議員、軍事の関係者が一体となった同協会の実態にふれ、今年三月まで理事を務めていた福田康夫首相に説明を求めました。
首相は「実はこの協会がどういうものかよく知らない」などと無責任な答弁を繰り返しました。
井上氏は「よくわからないけど(理事を)やったというのは、通用しない」と厳しく批判。同協会が主催する「日米安全保障戦略会議」が、軍需企業と政治家、防衛当局が一堂に会して、企業側は情報収集や兵器の売りこみまで行う場になっていると指摘しました。そのうえで、米国で開催される際には、政治家の多額の訪米費用の相当部分が軍需企業の「お抱え」になっている実態を告発しました。
井上氏は、パネル(別表)を示しながら、▽同協会の主な会員企業と防衛省との契約総額が約四兆八千億円(六年間)に達する▽防衛省から受注金額が多い会社ほどたくさんの天下りを受け入れている▽自民党の政治資金団体に十二億七千万円(六年間)の献金をしている――という癒着の構図を明らかにし、「これが問題の温床になっている」と指摘。徹底究明のために、同協会の常勤理事を務める秋山直紀氏らの証人喚問を求めました。
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防衛省提出資料及び政治資金収支報告書にもとづき作成
注1)受注金額は、2001年度から06年度の総額
注2)天下りは、2000年7月から06年12月の防衛相承認分
注3)献金は、01年から06年の『国民政治協会』に対する献金総額
注4)アイ・エイチ・アイ・エアロスペースは石川島播磨重工(株)の100%出資子会社
日本共産党の井上哲士参院議員調べ
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