2007年12月5日(水)「しんぶん赤旗」

水問題 国境超え解決を

アジア・太平洋 水サミット閉幕


 アジア・太平洋地域で深刻化する水問題の解決をめざし、大分県別府市で開かれている第一回アジア・太平洋水サミット(参加国約四十カ国の首脳らが参加)は四日、同地域の水資源が気候変動の脅威にさらされているとして、国境地域の枠をこえ支援と協調を訴える「別府からのメッセージ」をまとめ、閉会しました。メッセージはインドネシア・バリ島で開かれている国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(CОP13)にも提言する予定です。

 同サミットは、バングラデシュのサイクロン災害などアジア・太平洋地域の水害被害が世界の災害死者数の八割も占め、同地域の五人に一人が安全な飲料水を得られず、二人に一人が十分な衛生設備を利用できないなど水問題・水災害の解決に行動をおこすため初めて開かれたもの。

 水と衛生にかんする国連ミレニアム開発目標(二〇一五年までに安全な水を利用できない人を半減)達成が立ち遅れているうえ、気候変動が南太平洋の島しょ国、中央アジアの国々ではより深刻化していることが各国首脳らから訴えられました。

 ブータンのドルジ首相は、氷河が急速に後退し、下流域の住民が土石流や氷河湖決壊の脅威にさらされていると報告。出席した首脳らは水災害や水資源不足を解決する実行可能な対策を実現するため支援と協力を訴え、いますぐ行動が必要だと定期的な閣僚級会合の開催などを提言しました。

 「ヒマラヤ地域と氷河と水」分科会では、登山家の野口健さんが「雪崩の多発、氷河の崩壊、氷柱の減少を肌で感じてきた。イムジャ氷河湖が決壊すれば下流では大打撃を受ける」と温暖化による影響の深刻さを訴えました。



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