2007年12月6日(木)「しんぶん赤旗」
学力テスト
“欠席者にも点数”
石井議員、ずさんさを追及
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日本共産党の石井郁子議員は五日の衆院文部科学委員会で、全国一斉学力テストのずさんな実態と、文部科学省の姿勢をただしました。
文科省が今年四月、ベネッセとNTTデータに委託し、小学六年生、中学三年生を対象に実施した同テストをめぐっては、父母や教育関係者から、競争と序列化が加速するのではないかなどの声があがっていました。
石井氏は、テスト結果を子どもたちに知らせる「個人票は返されたのか」と追及。文科省が「学校の判断で、まだ返されていなかったり、通信簿と一緒に返す学校もある」と認めたのに対し、「テストは個々の子どもたちの学力向上につながるとしているが、実施から七カ月以上たって返されて、意味があるのか」と指摘しました。
そのうえで、三十七人のクラスに対して三十八人分の個人票が返ってきたり、欠席者に点数がついていたり、「できすぎて(個人票は)私のものではない」という児童がでるなど混乱の具体例をあげると、議場からは驚きの声があがりました。
石井氏は「答案用紙も返さず、○×の個人票だけを返したのでは、どこで間違ったのか、本人も教師もわからない。個々の学力など伸ばしようがない」と追及。渡海紀三朗文科相は、「そういうことは、初めて聞いた。現場の状況をつかんだうえで責任のある答えをしたい」と、学校現場の実態を把握していなかったことを認めました。
石井氏は「来年度からのテストを中止し、実施する場合は抽出調査にすべきだ」と述べました。
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