2007年12月7日(金)「しんぶん赤旗」
市民犠牲前提に空爆
アフガン 米軍作戦、テロ温床に
参院委で井上議員追及
アフガニスタンでの米軍による空爆が、事前に民間人の犠牲者を前提に実施されていた―。日本共産党の井上哲士議員は六日の参院外交防衛委員会で、米軍の対テロ掃討作戦の実態を突きつけ、こうした作戦を支援する海上自衛隊の再派兵をやめよと求めました。
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アフガンでは、イラクの四倍もの空爆が行われ、民間人犠牲者は「驚くべきレベル」(国連人権高等弁務官事務所のルイーズ高等弁務官)に達しています。それでも政府は「(アフガンの)カルザイ大統領は米軍はアフガンを助けるために来ていると言っている」(高村正彦外相)と述べ、米軍を擁護してきました。
井上氏は、大統領の発言の引用先が十月二十八日放映の米CBS番組でのインタビューだと指摘。同番組で大統領は、先の発言に続けて「しかし(アフガン国民は、戦争が始まって)五、六年もたって、なぜいまだに空軍力が必要か全く理解できない」と述べていることを明らかにし、空爆中止を求めていることを指摘。高村外相は、空爆中止を求めた発言部分について「(報告が)来ていなかった」と弁明しつつ、空爆による民間人犠牲は、あくまで「誤爆」との認識を示しました。
しかし同番組では、アフガン空爆を管理している指揮所の副責任者(米空軍大佐)も登場し、市民の犠牲者が事前に見積もられ、犠牲を出しても空爆を行うかは、現場の司令官の責任で決定されると報じています。
井上氏は「『誤爆』というが、空爆は市民の犠牲を前提にしているのが実態だ」と告発。高村外相は「(井上)議員のいう側面がないと言うつもりはない」と述べつつも、掃討作戦の必要性を繰り返し強調しました。
井上氏は、こうした軍事作戦が市民の怒りをかきたて、テロの温床をつくりだしているのが現実だと述べ、「だからテロ根絶が前進しないのだ」と批判しました。