2007年12月7日(金)「しんぶん赤旗」
飼料暴騰 酪農の危機
紙議員対策迫る 農家の叫びに応えよ
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飼料や燃料の暴騰をうけて危機にひんする日本の酪農家。日本共産党の紙智子議員は、六日の参院農水委員会で、農家の悲痛な叫びや実態を示し、乳価引き上げなど緊急の酪農経営対策を求めました。
紙氏は、酪農家がいま、子牛に飲ませるミルク代用乳の値段が二倍近くに上がったり、配合飼料や燃料代が20%以上も上がる中、経営の展望を失いつつあると強調しました。
現在、来年度の飲用向け生産者乳価をめぐり乳業メーカーと農協(JA)との交渉の最中ですが、政府が決める加工原料乳価と違い、飲用乳価の決定は民間まかせです。乳業メーカーは九月期の中間決算で純利益36・3%とチーズ部門が好調であるにもかかわらず、一リットルあたり四十円の低価格を酪農家に押しつけています。
紙氏は、北海道標茶(しべちゃ)町での「酪農危機突破釧根集会」で「過去最悪の赤字だ。このままじゃ皆死んじゃう。乳業メーカーは過去最高の利益を上げ、人災だ」などの声が上がったことを紹介、政府の認識をただしました。
若林正俊農水相は、「(紙)委員が言うように過去にこんな飼料代の高騰はない。光熱水費も上昇している」と認めざるをえませんでした。
紙氏は、北海道釧根地区の酪農家が「組合勘定」(立て替え払い)の清算をするために三百頭の牛を売りに出したものの、百頭が売れずに戻ってきた実態も示し、「現状を放置したら日本の酪農の生産基盤が大きく崩れる」「無利子の資金も用意し、生産者を励ますべきだ」と述べ、対策を迫りました。
しかし、若林農水相は、「民間が行っていることに行政が介入するのは差し控えたい」と背を向ける態度を示しました。