2007年12月9日(日)「しんぶん赤旗」

主張

12・12緊急集会

世論高め新テロ法案を廃案に


 新テロ特措法案をめぐるたたかいは、国会会期末を前に大きなヤマ場を迎えています。政府、自民・公明両党は、国会の再延長や衆院での再可決を視野に入れつつ、法案を成立させ、インド洋での自衛隊の給油支援活動を再開しようとしています。

 新テロ特措法案を廃案にするには、軍事利権の徹底糾明と新法反対の世論と運動を職場、地域から高めることが大切です。緊迫した情勢のなかで十二日に開かれる「新テロ特措法を許すな、日米軍事利権を徹底糾明せよ 12・12緊急中央集会」(東京・日比谷野音)の成功をはじめ、全国各地で新テロ特措法を断固阻止するたたかいを急いで強めましょう。

平和プロセスに逆行

 「戦争でテロはなくならない」―アメリカが始めた「報復戦争」の六年間の「実績」とこれまでの国会論戦から、自衛隊の派遣になんの大義もないことは明らかです。日本の給油支援は、アフガンの市民を殺傷する作戦にも使用されており、戦争支援そのものです。さらにイラク作戦に従事している米艦船にも給油されているのです。いまアフガンでカルザイ大統領も探求している、テロリストでないタリバンを含む話し合い解決の道「平和と和解のプロセス」にも逆行します。

 日本国民の支持も得られず、日米両政府が固執してきたテロ特措法の「継続」ができなくなり、自衛艦部隊が引き揚げざるを得なくなったのは当然です。再びインド洋に派遣する理由は、ひとつもありません。

 いま、新しい情勢のもとで、国民の運動が力強く前進しています。新テロ特措法案に反対する運動は草の根で広がりを見せています。新テロ特措法案反対の集会・宣伝・署名行動が全国各地で取り組まれ、「二万筆の署名を集めた」(生協労連)「一人で百筆集めた」(新婦人)「ビラの受け取りもよく、対話になる」(全教)などの例も生まれています。

 また新テロ特措法案反対のたたかいとこだましあいながら、米軍基地再編・強化反対の運動も新たな高まりを見せています。キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)での「人間の鎖」行動、岩国の「怒りの一万人集会」、座間の「首都圏大集会」が続けて一万人を超える規模で成功しました。どの集会も、政府の卑劣な仕打ちへの怒りとともに、自治体首長や地元住民と各団体の共同の広がりが見られ、また全国的連帯が強調されていることが特徴のひとつです。

 さらに、国民のくらしを破壊しながら巨額の日米軍事利権にむらがる政軍財の疑惑への批判と怒りが重なり、政府・防衛省を大きく包囲する動きが広がっています。

 逮捕された守屋武昌前防衛事務次官は、自衛隊の海外派兵と米軍再編を推進してきた中心人物ですが、個人の問題に終わらせず、日米軍事利権疑惑の全容を解明することが不可欠です。いま、巨額の軍事費にむらがる日米軍事利権の徹底糾明を求める声が、列島に満ちています。

集会を成功させよう

 これらの取り組みには、広範な市民団体や個人などとともに、日本共産党の各地の支部が積極的に参加しました。全労連(全国労働組合総連合)や安保破棄中央実行委員会なども大きな役割を果たしています。

 国民のたたかいで自衛隊をインド洋から撤退させたのは歴史的な出来事です。これを大きな確信に、12・12緊急集会をはじめ、草の根からの運動を広げ、新テロ特措法案を廃案に追い込み、さらにイラクからも自衛隊を即時撤退させましょう。


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