2007年12月9日(日)「しんぶん赤旗」
科学者200人 バリ宣言
50年までに温室ガス半減
インドネシア・バリ島で国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)が開かれていることを受け、世界の二百人を超える科学者が六日、同地で地球温暖化対策の緊急強化を求める「バリ宣言」を発表しました。
宣言は、現在の温暖化が続いた場合「数百万人が熱波、干ばつ、洪水、暴風雨などの危険にさらされ、海岸や都市は海面上昇に脅かされ、生態系、動植物は深刻な絶滅の危機に直面する」と警告。こうした危機を回避するため、温暖化の要因となる温室効果ガスを二〇五〇年までに一九九〇年比で少なくとも50%削減するよう求めました。
また、地球の平均気温の上昇を工業化(一八五〇年ごろ)以前と比べて二度未満に抑えるため、温室効果ガス排出量を十―十五年後には減少に転じさせなければならないと訴えました。
宣言はこれらを実現するために、現在ある温室効果ガス削減のための国際条約・京都議定書に定めのない二〇一三年以降の温暖化対策の枠組みづくりを、〇九年には完了するよう求めました。
バリ宣言は、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学・気候変動研究所の後援の下、欧米を中心にブラジル、インド、南アフリカ共和国、ロシアなどの二百人を超える気候問題の専門家が賛同。日本人学者も二人名を連ねています。
■関連キーワード