2007年12月11日(火)「しんぶん赤旗」

温暖化防止2007バリ

温室ガス

先進国は25―40%削減

20年までの行程表草案 米は反対の意向


 【ヌサドゥア(バリ島)=中村秀生】インドネシア・バリ島で開催中の国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)で、京都議定書の約束期間が終わる二〇一三年以降(ポスト京都)の温暖化対策の枠組みづくりに向けた行程表「バリ・ロードマップ」の草案が十日、明らかになりました。

 草案は作業グループによるもので、「気候変動の悪影響についての疑いようのない科学的証拠から、先進国は、温室効果ガス(GHG)排出量を二〇年までに一九九〇年比で25―40%削減することが求められている」と指摘。今後十―十五年のうちに世界全体のGHG排出量を減少に転じさせ、五〇年には排出量を二〇〇〇年の半分以下にする必要性を明記しました。

 これにたいして、米国のワトソン上級交渉代表は同日、草案に反対する立場を明らかにしました。日本も先進国の数値目標よりも、米国や中国などが参加するポスト京都の枠組みづくりを優先する意向です。

 日本の環境NGO(非政府組織)気候ネットワーク理事の平田仁子(きみこ)さんは、草案について「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が指摘した削減目標がきっちり入っている。これから始まる本格交渉に向けた議論のいいたたき台ができた」と評価。同時に「中身には懸念する点もある。米国が先進国として削減義務を負い、中国やインドも話し合いに参加するようなプロセスが大事だ」と語りました。


 京都議定書 国連気候変動枠組み条約にもとづく取り決めで一九九七年の京都会議で調印され、二〇〇五年に発効。先進国に対し、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を約束期間(二〇〇八―一二年)に一九九〇年比で5%削減することを義務づけました。発展途上国は削減義務を負っておらず、世界最大の排出国・米国は〇一年に離脱しました。



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