2007年12月11日(火)「しんぶん赤旗」
米政府提訴を検討
普天間基地返還へ宜野湾市長
沖縄
沖縄県宜野湾市(伊波洋一市長)が、市内中心部に居座る米軍普天間基地は米国の基地における「安全基準(AICUZ)」に反するなどとして、米政府に対し基地の早期返還・撤去に向けた訴訟を検討していることが、分かりました。九日行われた普天間飛行場問題シンポで、伊波洋一市長が明らかにしました。
普天間基地では、一九九六年からSACO(日米特別行動委員会)合意による返還期限の二〇〇三年までに米軍機の飛行回数は一・五倍に激増。その後「返還」は放置される一方、〇四年には沖縄国際大学にCH―53D型ヘリが墜落。今日に至るまでFA18戦闘機の度重なる飛来や深夜に及ぶ住宅地上空の旋回訓練が続き、墜落の危険や騒音被害は拡大し続けています。
市の資料などによると、「安全基準」は米国内において海軍及び海兵隊の航空基地を対象に適用されるもの。滑走路の両端の延長線上四千五百メートルは「利用禁止区域」「事故危険区域」として住宅や病院などがあってはならないとされています。
同シンポで伊波市長は普天間基地の現状について、「危険の上に危険を積んでいる」と厳しく批判。「いつまでも放置できない」として「安全基準」などに基づき米政府に「訴訟はできないか」と語りました。
市基地渉外課の新里優課長は、同シンポを契機に「訴訟を視野に、県内の学識者、法律家、米国弁護士らと相談したい」と話しています。
■関連キーワード