2007年12月12日(水)「しんぶん赤旗」
共産党 イメージ変わった!
BS11番組 志位委員長と西川のりおさんトーク
日本共産党の志位和夫委員長は十日、今月開局したばかりのBS11のトーク生番組「大人の自由時間・西川のりおの言語道断」に初出演。漫才師でノンフィクションライターでもある西川さんらと、党名、北朝鮮、消費税、選挙など多彩なテーマで丁々発止のやりとりを繰り広げました。西川さんからは「共産党のイメージが変わった」との感想も。
党名問題
番組のタイトルは「今、注目あびる共産党の役割」。西川さんが「僕は共産党の批判精神、これは必ず必要だと思っています」としながらも、まず持ち出したのが党名問題です。「『共産党』という言葉自体、ちょっとアレルギーを感じるものがあるんですよ」
志位さんは、「おそらくソ連のイメージが強いのでは?」と応じながら、日本共産党が旧ソ連からの乱暴な干渉と正面からたたかってきたことやソ連のチェコ侵略、アフガン侵略などを批判してきたことを紹介し、こう話しました。
「ああいうやり方は社会主義と無縁です。ですから、ソ連共産党が、一九九一年に崩壊したときに、日本共産党はもろ手を挙げて歓迎すると、歓迎声明まで出したくらいなんですよ」
西川さんは続けて「国民は結構印象で入ってしまうこと多いんですよね」。
志位さんは、「共産党」という名前に込められたロマンを語りました。
「資本主義という社会のもとでは、貧困や飢餓、失業、環境破壊といった問題がなかなか解決できない。人類は資本主義社会でおしまいなんだろうか。私たちはそう考えていません。資本主義を乗り越えた新しい未来の社会に発展していく展望をもっているのです。それを私たちは共産主義、社会主義とよんでいます」
北朝鮮問題
話題は北朝鮮問題に。西川さんは「気のせいか、拉致問題で共産党の政治家の声が少ないような気がするんですけど…」と問いかけました。
「私たちは、この問題ではずっと取り組んできた歴史があるんです」と志位さん。
一九八八年に当時でいう拉致疑惑を国会で初めてまとまった形で提起し、政府に認めさせたのが日本共産党の橋本敦参院議員の質問だったことを紹介しました。
では、どうやって解決するのか―。この点で志位さんは、一九九九年の国会で、日朝間になんの交渉ルートもなかった時期に当時の不破哲三委員長が、無条件で交渉ルートをつくる必要があるという提起をしたことを紹介。それが実って、超党派の訪問団が訪朝し、二〇〇二年の九月の日朝平壌宣言につながった経緯を説明しました。
現在、六カ国協議で北朝鮮が非核化にむかう合意をし、米中韓の各国も懸命な外交交渉で朝鮮半島の非核化のために動いているとして、志位さんはこう語りました。
「そのときに日本はどうするか。戦略がいります。私はワンパッケージの(包括的な)解決のなかで、核問題が先に解決の方向にむかうこともありうると思います。核問題が道理あるかたちで解決されていけば、拉致問題の解決をうながすことになると思う。核問題をいま前進させることが拉致問題の解決にも一番の近道になります。そういう立場で外交交渉にあたるべきです」
これには、西川さんもうなずき、「おそらくこの問題にたいして、テレビをご覧のみなさんも日本共産党に対して誤解されているところが多かったと思うんですよ」。
志位さんは、「アメリカにたいしても単純にみていないんですよ。複眼で見る必要がある。アメリカのやっていることならなんでも悪いとみていません」と指摘。西川さんは、「共産党はアメリカを目の敵にしていると思っている方が多いと思うけど、そうじゃない!?」とこんなやりとりに。
志位 私たちはアメリカのイラクやアフガンの戦争には断固反対です。国連憲章に背く無法な軍事的覇権主義は絶対に許さない。
同時にアメリカも全世界を軍事でやっつけることはできなくなっています。北朝鮮にたいしては、外交解決の方向にはっきりとかじを切っています。この前も、ブッシュ大統領が北朝鮮の国家の代表に親書を出したでしょう。アメリカが北朝鮮問題の外交解決をはかろうとしていることは道理のあることです。
西川 では、共産党が政権をとった場合、アメリカともいまの政府よりうまくつきあえると。
志位 そう思います。対等・平等の関係にしてこそ、日米両国民のほんとうの友情もつくれます。
西川 共産党というとアメリカとはつきあわないというイメージがあるけどつきあわないということじゃないんですね。
“わかった”
番組の最後に、西川さんは、党名の問題は保留しながらも、「僕は志位さんのいっていることが多分にわかった」と話しました。
志位さんが「だいぶ違うイメージも出てきたでしょう」と問いかけると、トークに加わったエッセイストの野坂麻央さんは、「出てきました! とっても新しいイメージ」と応じました。