2007年12月13日(木)「しんぶん赤旗」
「思いやり」予算光熱水費
大幅削減できず
日米政府合意
高村正彦外相とシーファー駐日米大使は十二日、在日米軍駐留経費の「思いやり」予算特別協定分について、光熱水費を三年間で八億円削減することで実質合意しました。現行協定は来年三月に期限切れとなります。新たな協定の期間は三年とし、来年の通常国会に提出される見通しです。
日本政府は当初、財政難や使用実態が不明朗なことから、光熱水費を数十億円削減するよう要求してきました。しかし、米側はイラクやアフガニスタンの戦費が増大する中、逆に大幅な増額を要求。海上自衛隊のインド洋からの撤退という日本政府の「負い目」も暗に突いてきました。結局、政府がめざした大幅削減は実現できず、微減にとどまりました。
二〇〇七年度の「思いやり」予算は二千百七十三億円が計上されています。このうち特別協定分は千四百九億円で、(1)基地従業員の人件費(基本給)千百五十億円(2)光熱水費二百五十三億円(3)「訓練移転」費五億円―となっています。
基地従業員の労務費と「訓練移転」費は現状維持となっています。
「思いやり」予算 在日米軍の特権を定めた日米地位協定に照らしても、日本には負担する義務はないものです。一九七八年度、ベトナム戦費を要因として財政が悪化していた米軍に対して、当時の金丸信防衛庁長官が「思いやりのある配慮をする」として、基地建設費や基地従業員の福利費などを負担したのが始まりです。それも限界に達した八七年度から「特別協定」を設けました。政府は当時、これは「暫定的」だと説明していましたが、同協定はすでに四回延長されています。
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