2007年12月13日(木)「しんぶん赤旗」
企業経営持ち込むもの
山下議員 放送法改定案を批判
参院総務委
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NHK経営委員会の「改革」などを盛り込んだ放送法改定案の審議が十二日、参院で始まりました。午前中、本会議で趣旨説明が行われ、午後から総務委員会が開かれました。日本共産党からは山下よしき議員が質問に立ちました。
山下氏は、政府・軍部の意思を伝えるだけだった戦前・戦中の放送の反省から、「放送法は国家や政党の介入から放送事業者を守る手段だ」と指摘。本来の経営委員会とは、NHKの自立を確保する視聴者・国民の代表だとのべました。
その上で「経営委員会の権限強化をするのはなぜか」と問題提起。改定案は、“国際競争力の強化”など、市場原理の導入をもくろんだ「通信・放送の在り方に関する懇談会」(昨年六月、松原聡座長)の提言を受けているのではないかとただしました。総務省の小笠原倫明情報通信政策局長は「ガバナンス(統治)強化はさまざまな議論を踏まえてのこと。先生がお取り上げになったようなことも当然踏まえている」と認めました。
さらに過去二十年の経営委員のリストを示し、八つの地域のうち、関東、東海、近畿の代表は財界関係者が占めていると発言。「地域要件が緩和されたらより(財界に)傾斜するのではないか」「『権力からの独立』がまったく見えてこない。見えてくるのは競争力の強化。経営委員会を企業経営のガバナンスのように変質させるものだ」と批判しました。