2007年12月13日(木)「しんぶん赤旗」
「取調小票存在する」
鹿児島県議選買収捏造事件
仁比議員に警察庁局長
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日本共産党の仁比聡平議員は十一日、参院法務委員会で、志布志事件での自白強要の実態を解明するため、容疑者や参考人の警察での取り調べ時に供述内容の要旨を記録した「取調小票(こひょう)」の提出を改めて要求しました。
志布志事件は、二〇〇三年の鹿児島県議選の際、同県志布志市で候補者とその妻が住民十一人に現金計百九十一万円を配ったとして、警察が選挙買収を捏造(ねつぞう)した事件です。十三人が公選法違反で起訴されましたが、今年二月に全員無罪になっています。警察は被害者に謝罪していません。
同委理事会は仁比議員の要求に応えて「取調小票」を確認するため、まずサンプルの閲覧を要求していますが、警察庁は、犯罪捜査規範の見直しを理由に廃棄したとして応じていません。
仁比氏は、事件当時の「取調小票」はあるかと質問。警察庁の米田壯刑事局長は「国賠訴訟が続いているので志布志事件の『取調小票』は存在している」と認めました。
「『取調小票』は職務上作成された文書ではない」とする米田局長に対して仁比氏は、新聞報道や警察庁からの聞き取りをもとに、取調官が作成する職務上の手控えであることを明らかにし、「捜査員が職務を離れて個人的関心で作ったメモではありえない」と指摘しました。
仁比氏が「重大な冤罪(えんざい)事件を検証するのが参院法務委員会の重大な責務だ」と小票の提出を重ねて求めると、「賛成」の声が他の委員からも上がりました。