2007年12月14日(金)「しんぶん赤旗」

鳥獣被害特措法案を可決

共産党 科学的「防止計画」を

参院農水委全会一致


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(写真)質問する紙智子議員=13日、参院農林水産委

 参院農林水産委員会で十三日、野生鳥獣による農作物被害の防止を目的とする鳥獣被害特措法案が全会一致で可決されました。

 日本共産党の紙智子議員は、質疑の中で次のように党の見解を明らかにしました。

 日本共産党は、野生鳥獣による農作物などの被害が増大しているもとで、被害防止対策が必要だと考えています。そのための対策は、駆除一辺倒ではなく、野生鳥獣の生息地管理や鳥獣の保護管理計画にもとづき、駆除と保護管理が総合的に取り組まれるものでなければならないと考えます。

 荒廃している奥山や里地などの生息地管理、十分な予算を伴う効果的な防除対策が必要です。野生鳥獣保護管理のための専門家の育成、農業共済による被害補償制度の拡充、野生鳥獣との共生を旨とした被害補償制度の確立などの総合的な被害防止策が必要だと考えます。

 今回の鳥獣被害特措法によって、鳥獣捕獲の許可権限が都道府県から市町村に移譲され、市町村が防止計画を策定し、その判断で捕獲できるようになります。このため、捕獲・駆除一辺倒になる恐れがあります。鳥獣被害の著しい地域で、それぞれの市町村が徹底的な駆除を進めることになれば、鳥獣保護法にもとづく総合的な保護管理の施策は機能せず、空洞化しかねません。

 市町村の被害防止計画の策定は、都道府県の鳥獣保護事業計画にもとづき、野生鳥獣の専門家・研究者も参画して科学的に策定し、野生鳥獣の個体数調整を含む「特定鳥獣保護管理計画」に沿ったものにすべきです。捕獲に当たっても専門家の意見を聞き、都道府県や関係自治体と協議し、慎重に行わなければならないと考えます。


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