2007年12月17日(月)「しんぶん赤旗」
米基地拡張反対 7万人
イタリアでデモ
イラク・アフガン作戦抗議
イタリア北部のビチェンツァで15日、米軍基地拡張に反対するデモが行われ、主催者の発表で7万人以上が参加しました。これには欧州諸国や米国の代表も参加。イラクやアフガニスタンの軍事作戦に参加する米軍に抗議しました。
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デモは同市にあるダルモリン米空軍基地拡張に反対する市民団体「ダルモリン(基地)反対」が主催。現地からの報道によると、参加者は先頭に「ダルモリン反対」の横断幕を掲げて市内を行進しました。
カトリック系の平和団体「至福と平和の建設」や各種の市民運動のほか、アフガニスタンからのイタリア軍の撤退を求める団体の代表や活動家が行進。家族の姿も多く見られました。政党からは共産主義再建党などが、また外国からは米国のほか、ドイツ、スペイン、チェコ、ポーランドの代表が参加しました。
ビチェンツァの基地には米軍南欧機動部隊(SETAF)司令部が置かれ、イラクやアフガニスタンでの作戦に加わっている第一七三空挺(くうてい)旅団が駐留しています。米軍は基地のある同市の反対側に新しい兵舎を建設し、現在の兵員二千七百五十人を四千五百人に増員する計画です。米国防総省はイタリアとドイツに分かれている旅団の統合を図るとしています。
新兵舎と基地を結ぶ新しい道路の建設は軍用車の通行や緑地の喪失など新たな問題を生むことにもなり、住民は懸念を深めています。
イタリアのプローディ首相は今年一月、ベルルスコーニ前政権がすでに基地拡張への同意を米国側に伝えていたことを理由に、「拡張に反対しない」と表明。これには与党内からも反対の声が上がっていました。
デモにはノーベル文学賞受賞作家のダリオ・フォー氏も参加。「このデモの重要性には政府の指導者も反対しない。核兵器が配備されている地からの聖なる要求に、もはや顔をそむけることはできないということを、この(デモ終結の)広場から政府に発信する」と述べました。
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