2007年12月17日(月)「しんぶん赤旗」
英軍がバスラ権限移譲
撤退への動き大きく前進
【ロンドン＝岡崎衆史】イラク駐留英軍は十六日、英軍が管轄する南部バスラ州の治安権限をイラク当局に移譲しました。これにより、英軍撤退への動きが大きく進むことになります。
英軍は二〇〇三年三月、米軍の最大の同盟軍として、イラク侵略に参戦。その後はバスラを含むイラク四州の治安を管轄。すでに他の三州の治安権限はイラク側に移譲済みのため、今回の移譲で全英軍管轄地域の治安権限が移譲されたことになります。
侵略当初四万六千人いた英軍は、撤退を求める英国内の世論に押されて約四千五百人に縮小されており、来年春には二千五百人となる予定です。
バスラ住民の多くは、治安移譲と英軍撤退への動きを歓迎。ＢＢＣが十四日に発表した住民を対象にした世論調査によると、駐留英軍が同州に「否定的影響」を与えてきたと答えた人は回答者の８６％、英軍駐留によって暴力が増大したと答えた人は５６％に上りました。また、英軍による治安権限移譲が治安状況を改善すると答えた人は、短期的にみた場合で６６％、長期的視点では７２％に達しました。
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