2007年12月18日(火)「しんぶん赤旗」
ねんきん特別便を発送
年内に約48万人 段階的実施にとどまる
社会保険庁は十七日、基礎年金番号に統合されていない約五千万件にのぼる「宙に浮いた年金記録」対策の一環として、「ねんきん特別便」の発送を開始しました。
同庁の計画では、来年三月までに、「未統合の年金記録の持ち主である疑いのある人」(約一千万人分)にたいして、十回に分けて送付します。十七日には約三十万人分の発送がおこなわれました。今月二十五日、二十六日にも約十八万人にたいして送付する予定で、年内に計四十八万人にたいし、「特別便」を送ることになります。来年一月、二月にもそれぞれ四回ずつ発送します。
同庁は今後、来年四、五月までにすべての年金受給者に、来年六―十月までにすべての加入者に順次発送。合計一億三百万人に「特別便」を送る計画です。
「特別便」は大量の行方不明の年金記録問題が発覚した直後、政府・与党が対策として発表。これは、日本共産党の「一億人レター作戦」(すべての年金受給者・加入者にたいして、ありのままの年金記録を送付する)などの提起を反映したものですが、「結びつく記録のある疑いのある人」を優先するなど、「段階的実施」にとどまっています。
また、未統合の年金記録のある可能性のある人には「特別便」で、「記録がもれている可能性があります」と書かれているものの、いつ、どこの記録がもれているのか一切明記されていません。さらに、住所変更を届けていない人には、「特別便」が届かない恐れがあります。
日本共産党は、「一人の被害者も出さないために、党利党略でなく知恵を集めるべきだ」として、(1)段階的実施でなく、一億人送付を前倒しで実施すること(2)未統合記録の統合に結びつく情報を提示し、記憶を呼び覚ませるようにすること―など改善を強く求めています。
問い合わせ先
社会保険庁は十七日から「ねんきん特別便専用ダイヤル」(0570―058―555)を設置しました。不明な点の問い合わせを受け付けるとしていますが、込み合ってつながらない可能性があります。
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