2007年12月19日(水)「しんぶん赤旗」
山田洋行
水増し差額を還流か
大門氏指摘 秋山氏の交流協会に
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防衛庁(当時)発注の毒ガス弾処理事業にかかわり、軍需商社「山田洋行」が水増し請求を行い、その差額から軍事利権の中心人物といわれる秋山直紀氏が常勤理事を務める「日米平和・文化交流協会」に一億円を還流させていた疑惑が浮上しました。日本共産党の大門実紀史議員が十八日の参院外交防衛委員会で指摘したものです。
事業は、福岡県の苅田港で見つかった旧日本軍の毒ガス弾の無害化処理。東京地検特捜部が家宅捜索している「日米平和・文化交流協会」の前身「日米文化振興会」が、二〇〇三年に処理方法の調査業務を「競争入札」で落札しました。同会は、神戸製鋼所に有利な調査報告をまとめ、実際に処理事業は神戸製鋼所が請け負いました。
防衛庁は、処理事業の入札の際、神戸製鋼所の参考見積額をもとに予定価格を決定。神戸製鋼所が総額約二百十六億円で受注しました。その際、毒ガス弾を引き揚げる米国企業のダイバーの手配を下請け受注したのが「山田洋行」でした。
大門氏は、その米企業が「テトラテック」社で旧イラク軍の弾薬処理などを請け負ってきた“戦争請負会社”だと指摘。「山田洋行」の下請け受注額は十八億円でしたが、防衛省の長岡憲宗経理装備局長は防衛庁(当時)としての当初の見積額が約七億円だと明らかにしました。
大門氏は、同社が差額分を水増し請求した疑惑とともに、この下請け受注にからんで同社から「交流協会」側に一億円が還流した疑いもあると指摘。「国民の大事な税金の使い道の問題だ。防衛省としても調べるべきだ」と要求しました。
石破茂防衛相は、民間企業同士のことであり、「承知する立場にない」などと答弁。大門氏は「至急、調べるべきだ」と重ねて求めました。
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