2007年12月19日(水)「しんぶん赤旗」
エサ高で経営危機
農民連 農水省に緊急要請
農民連(農民運動全国連合会)は十八日、東京・霞が関の農水省に対して直面する農業問題で緊急対策を要請しました。
輸入エサが高騰して経営危機に陥っている酪農・畜産問題では、「手を打たないと農家は廃業し別の経営転換を考えてしまう」と訴え、三月に改定するバター・脱脂粉乳の加工原料乳の政府補給金単価について、前倒し改定を要求しました。
牛肉価格低落時に国と生産者でつくる基金から家族労賃を補てんする現行制度が、エサ高騰で所得が減る事態に対応できないと指摘し、緊急対策を求めました。
外国依存の飼料構造を転換するため、「飼料稲・飼料米を水田に作付ける運動を農民連は全国的にすすめる」と紹介し、助成策を求めました。
導入初年度から麦、大豆など五品目で収入が大幅低下するなど矛盾が噴出している「品目横断的経営安定対策」については、「農村が荒廃し、食料自給率は上がらない」と指摘し、農家の努力を反映した交付金にすることや、中小農家にも加入者を広げ、ソバなど対象作物を広げることを求めました。
農水省の担当者は「現場から要望がある。近年高収量をあげた田畑の地域の努力を反映させたい」と答え、見直しを検討していることを明らかにしました。
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