2007年12月19日(水)「しんぶん赤旗」
父の靖国合祀取り消しを
東京高裁 在韓軍人軍属裁判で原告
アジア・太平洋戦争で旧日本軍に徴兵・徴用された韓国人被害者と遺族計二百六十七人が靖国神社の合祀(ごうし)取り消しなどを求め、日本政府を相手に起こした在韓軍人軍属裁判の控訴審第二回口頭弁論が十八日、東京高裁で開かれました。韓国から来日した原告が陳述しました。
原告の李美代子(イ・ミデジャ)さん(66)の父は一九四二年に衛生兵として徴集され、四五年七月、フィリピンのルソン島で戦死しました。家族でキリスト教を信仰してきたといいます。
李さんはキリスト教信者であるが故に「侵略戦争を正当化し、宗教ともいえない宗教施設に父が無断で合祀されていることはとうてい納得できない」とのべました。
戦後日本政府は遺族に死亡通知もせず、戦死者を合祀しました。李さんは「靖国神社に神という名目で監禁されている理由はない。子として父の合祀取り消しを要求するのは当然の主張だ」と訴えました。
日本政府が靖国合祀を主導していたことが、今年三月に発刊された『新編靖国神社問題資料集』(国立国会図書館編)で明らかになりました。
しかし、国側代理人は合祀は靖国神社の判断で国は関与していないと主張する準備書面を裁判所に提出。原告側弁護団は「あいまいな言い逃れは許されない」と国側の姿勢をただしました。
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