2007年12月20日(木)「しんぶん赤旗」
原爆症認定
実態踏まえ抜本改善を
厚労省に 共産党国会議員団が要求
|
厚生労働省の「原爆症認定の在り方に関する検討会」が被爆者切り捨ての現行基準を維持する報告書を提出したことを受け、日本共産党国会議員団被爆者問題委員会(責任者・小池晃政策委員長)は十九日、厚労省に申し入れを行い、被爆者認定行政の抜本的改善を求めました。
小池氏らは、昨年来の原爆症認定集団訴訟のすべての判決が現在の認定方針を厳しく批判しているにもかかわらず、検討会の報告書(十七日)が現行方針の枠組みの維持を基本としていることを厳しく批判。「今回の報告が、厚労省の意向に沿ってまとめられたことは明らかだ」と強く抗議しました。
小池氏は、報告書が、現行の認定方針のもとではほとんど考慮の余地なしとされてきた残留放射線の影響や被爆後の急性症状を考慮すべきだとしたことは、被爆の実相を無視できないことを自ら認めたものであり、現行方針の誤りを証明するものだと指摘しました。
議員団側は、現在の認定方針を廃止し、放射線の影響が否定できない疾病については認定することなど、被爆者の実態や司法の流れを踏まえた新たな方針の策定を要求。「被爆者の実態から出発する以外に被爆者を救済する道はない」と小池氏が迫ると、厚労省の西山正徳健康局長は「おっしゃるようなことも一面ではありうる方法だが、われわれとしては現行法の枠のなかで考えている」と話しました。
申し入れには、小池氏のほか、穀田恵二、赤嶺政賢の両衆院議員、井上哲士参院議員が参加しました。