2007年12月20日(木)「しんぶん赤旗」

衆院委

政治資金規正法「改正」案を可決

政党助成金 全面公開見送り

共産党は反対


 衆院政治倫理・公職選挙法特別委員会は十九日、与野党協議でまとめられた政治資金規正法「改正」案(委員長提案)を自民、民主、公明、社民、国民新の各党の賛成で可決しました。日本共産党は反対しました。同「改正」案は二十日の衆院本会議で採決される見通しです。

 同「改正」案は、国会議員(候補者や立候補予定者を含む)が関係する政治団体の一円以上の領収書の保存や公開、「登録政治資金監査人」による政治資金の監査を義務づけています。監査報告書の不提出や虚偽記載には禁固刑や罰金刑を設けています。

 これら政治団体の収支報告書の公開、監査などの具体的な制度や手続きを定めるため、総務省内に「政治資金適正化委員会」を設置。同委員会の委員は国会の同意をへて総務相が任命します。

 このほか、政治資金収支報告書をインターネット上で公開することも定めています。

 同「改正」案は、与野党間の国対委員長会談と実務担当者の協議を経てまとめられた「合意事項」をもとに法案化されたものです。しかし、協議の当初から与党も了承していたはずの政党助成金の使途の全面公開は、「合意事項」とりまとめの段階で見送られました。

 日本共産党は協議の当初から、政治資金の公開は、収支を国民の直接の監視のもとにゆだねるべきであり、監査制度の導入や適正化委員会の設置は不必要だと主張。企業・団体献金など政治献金の「入り」(収入)の問題も盛り込まれず、政党助成金の使途の全面公開も見送ったことを批判し、「合意事項」への不同意を表明してきました。


適正化委・監査制度は不要

佐々木議員指摘

写真

(写真)質問する佐々木憲昭議員=19日、衆院倫選特別委

 日本共産党の佐々木憲昭議員は十九日の衆院政治倫理・公職選挙法特別委員会で、監査制度導入や適正化委員会設置などを盛り込んだ政治資金規正法「改正」案の問題点をただし、反対を表明しました。

 佐々木氏は、政治資金の収支を広く公開して国民の不断の監視のもとに置くことが基本であり、収支報告書の監査などそもそも必要ないと指摘。弁護士や公認会計士、税理士を「登録監査人」とする「監査」だが、その内容は、会計帳簿と領収書を突き合わせるだけで、高度な専門的知識は必要なく、「収支報告書」にたんなる「お墨付き」を与えるだけで、このための適正化委設置や監査制度導入は税金のムダ遣いだと批判しました。

 また、今後監査が強化されることになれば政治活動への介入のおそれもあると指摘しました。

 発議者の棚橋泰文委員長は、公開の基本については「指摘のとおり」だとのべながら、監査制度導入は「与野党間の協議での議論を経たもの」との答弁に終始しました。

 また佐々木氏は、企業・団体献金や政党助成金を含む「入り」の問題こそ、国民にとって一番の関心事だと指摘。与野党協議では与党も当初から表明しながら一方的に見送った政党助成金の支出の全面公開について、「こんなことはすぐにやるべきだ」と主張しました。

 佐々木氏は、現行では毎年の収支報告書を翌年九月三十日までに公開しているのに、二カ月遅い十一月三十日までに公開とする理由を質問。増田寛也総務相は、「形式審査」に時間がかかることなどを理由に挙げました。佐々木氏は、「登録監査人が監査するというなら、形式審査の必要はなくなる」とのべ、公開時期の前倒しを要求。増田総務相は、国民が迅速な公開を求めていることを十分踏まえるとの考えを示しました。


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