2007年12月20日(木)「しんぶん赤旗」

キャンプ座間

新司令部に抗議し集結

「市民が犠牲」


 「戦争司令部反対!」「基地を返せ!」―。在日米軍再編に伴うキャンプ座間(神奈川県座間市、相模原市)での米軍新司令部の発足式が、地元自治体・住民の反対の声を無視して十九日に強行され、「キャンプ座間への米陸軍第一軍団司令部の移転に反対する座間・相模原・周辺市民連絡会」などは同日、キャンプ座間の前で抗議のシュプレヒコールをあげました。


 相模原市に三十年住んでいる男性(73)は、「新司令部移転なんて大変なことだ。米軍は一日も早く立ち退いてほしい」と語りました。

 同連絡会の呼びかけで地元の新日本婦人の会や土建組合、東京都町田市の平和委員会なども横断幕やのぼりを携えて参加し、約七十人が集結。多くの他団体や住民も集まり、「司令部はいらないぞ!」「基地の強化反対!」などと激しく抗議しました。

 キャンプ座間側へ抗議文書を手渡した同連絡会の鴨居洋子代表委員は「新司令部発足が強行されたことには怒りがわきます。市民を犠牲にする戦争司令部は絶対に許せない。市民の多くは反対しています。声を集め、引き続き大きな運動にしていきたい」とのべました。

 抗議行動には、日本共産党の座間、相模原の両市議団、はたの君枝、笠木たかし、藤井みどり各衆院比例候補者も参加しました。


発足式

基地内を隊員巡回

ライフル銃を構え威嚇

 「イラクでもっとも勇敢にたたかった」「有事で自衛隊とともに戦う誇り」―。十九日、神奈川県の米陸軍座間基地の前方司令部発足式でこうアピールした米陸軍第一軍団。

 基地ゲート前で抗議する市民らを敵視するかのように、基地内を、憲兵隊員が「軍用犬」で巡回し、ライフル銃を構えて威嚇する物々しい雰囲気のなかで発足式は始まりました。

 会場となったフィットネスセンターは、日本の「思いやり予算」でつくられた、バスケットボールのコートが三面もとれる広さです。

 開式前、斎藤隆統合幕僚長ら自衛隊関係者がジャコビー中将らとさかんに握手を交わしました。

 地元自治体や市民の不安や反対の声に背を向けたまま、国民の安全よりも危険な日米同盟を最優先する日本政府の実態を象徴する光景でした。

 自衛隊のイラク派兵、中央即応集団司令部と第一軍団との共同作戦などで米軍と連携する陸上自衛隊研究本部の要員も姿を見せました。

 在日米陸軍は、式への第一軍団の参加者を十九人と発表しました。

 しかし、今後の司令部機能の稼動や人員体制については「必要な人員、装備を入れて部隊の即応性が達成されたときに可能になる」(クロフォード在日米陸軍司令部広報部長)として明らかにせず、闇のベールに包まれたままの発足となりました。


米軍新司令部発足は残念

 松沢成文神奈川県知事の話

 国にたいし、基地を抱える地元との協議を求めてきたが、座間市など地元との協議もなかなか進まない中で、司令部の発足式が行われたことは残念である。座間市が求めている恒久化解消策への対応を含め、地元との協議を図るよう求めていく。



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