2007年12月21日(金)「しんぶん赤旗」
生活・平和守る予算へ抜本組み替えに全力
08年度予算原案 市田書記局長が談話
日本共産党の市田忠義書記局長は二十日、財務省が同日内示した二〇〇八年度政府予算原案について次のような談話を発表しました。
本日、財務省が内示した来年度予算原案は、国民を苦しめ地域経済を疲弊させ、財界・大企業を最優先するという「構造改革」路線を継続するものとなった。研究開発減税の拡大など大企業優遇をさらにすすめ、増税や社会保障切り捨てなどで苦しむ国民に背をむけていることは、許しがたい。
貧困と格差の広がりに、国民の不安がこれだけ大きくなっているにもかかわらず、暮らしと教育、営業の予算を冷たく切り捨てている。社会保障予算の「自然増」を毎年二千二百億円削減するという措置を来年度も継続した。生活保護費(母子加算)を削減し、後期高齢者医療制度をほんの一部「凍結」しただけで、四月実施に踏み切ろうとしている。私学助成、国立大学予算や農業予算も削減された。
その一方で、大企業・大資産家への優遇、大型開発などの「聖域」は温存されたままである。研究開発減税を拡大し、証券優遇税制を継続した。道路特定財源を今後十年間も固定化し、大型公共事業にも多額の予算をつぎこんでいる。さしせまった地球温暖化にも、まともな対策はとられていない。
「思いやり予算」をアメリカいいなりで温存したうえ、米軍再編に向けた予算をさらに追加した。大問題になっている軍事利権や兵器価格の水増しにも何らメスが入れられていないなど、軍事費はまったく「聖域」とされたままである。
大企業優遇税制と軍事費という「二つの聖域」にメスを入れず、政府税調や与党税調も露骨に消費税増税を打ち出したように、国民負担増に大きく踏み出そうとしていることは、絶対に許されない。日本共産党は、暮らしと平和をまもる予算への抜本的組み替えを実現するために力をつくす。