2007年12月22日(土)「しんぶん赤旗」
排ガス規制
米2州、政府を提訴へ
カリフォルニア メリーランド 不許可に反発
【ワシントン=山崎伸治】米環境保護局(EPA)がカリフォルニア州による独自の自動車排ガス規制を許可しないよう決定したことに対して、同州のシュワルツェネッガー知事(共和)は二十日、決定を覆すためにEPAを提訴する考えを改めて強調しました。
同様の規制を独自に設けているメリーランド州も同日、ガンズラー司法長官がEPAを提訴すると発表。ブッシュ政権の決定に対して、すぐさま州政府が反撃に打って出ました。
州独自の排ガス規制については、ジョンソンEPA局長が十九日の声明で「各州が個別に行動するより、全国規模の解決策がより良いアプローチだ」と表明。独自規制を認めないと発表しました。米メディアは「自動車メーカーの勝利」と伝えています。
この決定に対し、シュワルツェネッガー氏は「またもやブッシュ政権が地球温暖化問題を真剣に取り上げていないことが示された」と批判。「できるだけ速やかにEPAを提訴する」と表明しました。
メリーランド州は今年、「クリーン自動車法」を制定し、自動車の排ガスに厳しい規制を設け、二〇一一年から実施することにしています。独自の規制を許可しないというEPAの決定は現在のところ、カリフォルニア州に対してだけですが、今後メリーランドなど同様の規制を定めた十六の州にも対象が広がるものとみられます。
メリーランド州のオマリー知事(民主)は同日発表した共同声明で「ブッシュ政権は企業の利益に屈し、十数の州の市民の意思をくじこうとしている」と批判しました。
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