2007年12月26日(水)「しんぶん赤旗」
温室ガス
削減目標早く示す
市田氏に環境相答弁
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鴨下一郎環境相は二十五日の参院環境委員会で、温室効果ガスの二〇二〇年の排出削減目標について、欧州連合(EU)を超える目標も視野に「最大限の努力をしたい」と述べ、来年七月の洞爺湖サミット開催に向け、日本の削減目標を早急に提示する意向を表明しました。日本共産党の市田忠義議員への答弁です。
市田氏は、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第四次評価報告書も地球温暖化の原因として、「人為起源の温室効果ガスの増加」をあげ、二〇二〇年時点で最低25%から最大40%の削減目標を示していることを指摘しました。
そのうえで市田氏は、今月十五日閉幕した国連気候変動枠組み条約の第十三回締約国会議(COP13)では、EUが二〇二〇年までに日米欧の先進国全体で一九九〇年比で30%削減を提案したことなどをあげ、「日本は新しい削減目標を早急に提示して、サミットでリーダーシップを発揮すべき」と政府の姿勢をただしました。
鴨下環境相は「われわれはIPCCの科学的知見を尊重する」と述べ、IPCCの示した削減目標も「合理的だと考える」と評価。「(サミットでは)自分たちはプレーヤーであり(単なる)調整役というわけにいかない。環境大臣として精いっぱい努力する」と答弁しました。
さらに、市田氏が「IPCCの警告を正しく受けとめるならば、国別総量削減目標の義務付けが必要だ」と迫ったのに対し、鴨下環境相は、「地球全体のためにしかたがない」と述べ、消極的ながら同意する意向を示しました。
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