2007年12月26日(水)「しんぶん赤旗」
被爆者切り捨てる厚労省報告
原爆症認定 抜本改正を
国会で小池議員
日本共産党の小池晃議員は二十五日の参院厚生労働委員会で、原爆症認定問題について質問しました。
小池氏は原爆症認定のあり方について厚労省検討会がまとめた報告書(十七日)をとりあげ、「集団訴訟判決が現行基準の『原因確率』をきびしく批判したのに、抜本的な見直しがされなかった。被爆者が抗議するのは当然だ」とのべました。
小池氏は、報告書が考慮すべきとした残留放射線について、六十二年前の記憶をもとに「線量計算」できる人などほとんどいないと指摘し、「『原因確率』で切り捨てるのと同じことだ」と批判しました。
また、小池氏は、報告書で急性症状を考慮対象とする条件の「本人の供述を裏付ける第三者の証言等」について、医師の診断書というが当時のカルテが残っている可能性はわずかだと指摘。「入市被爆者や遠距離被爆者にも急性症状があったことを示す多数の資料をもとに、集団としての急性症状の証明とすべきだ」と提起しました。
舛添要一厚労相は、個々のケースについて原爆放射線との因果関係が認められなければ認定できない仕組みだとして、集団としての証明は不可能だと答弁しました。
小池氏は、「被爆者の実態から出発するという司法判断に耳を傾けるべきだ。不可能な証明を被爆者に強いるやり方をやめよ」と迫りました。
小池氏はまた、与党プロジェクトチームが『原因確率』を改める提案をしながらも、新たな線引きを設けていると指摘。現行基準を廃止し、放射線の影響が否定できない疾病はすべて認定するなど、認定行政を抜本的に改めよと求めました。
同日、首都圏の被爆者ら二十人以上が小池氏の質問を傍聴しました。